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みずがめ座の超新星が消えた!:不吉な兆候?、それとも新現象? (BBC-Sci & Env, June 30, 2020)

Luminous blue variable star in the Kinman Dwarf galaxy

 大質量星 (massive stars)は、その終焉を迎えると、青く輝いて壮絶な大爆発を起こす。いわゆる「超新星爆発 (supernova explosion)」だ。これが、天文学の常識だった。

 ところが、その定説を覆(くつがえ)す事象が観測された。

 問題の星は、地球から7,500万光年の宇宙のかなたにあって、「みずがめ座 (Aquarius)」の「Kinman Dwarf galazy (キンマン矮小銀河)」で輝く「luminous blue variable star (高光度青色変光星)」。

 Irelandの「Trinity College Dublin」の Mr Andrew Allanらの研究チームは、2019年から「The European Southern Observatory (ヨーロッパ南天天文台)」が運営するチリの「The Very Large Telescope (超大望遠鏡 VLT)」を使って、今でも爆発しそうな、この星の観測を続けてきた。

 VLT

 その光度は太陽の250万倍。光のスペクトル、明るさが常に変わる変光星ではあっても、莫大なエネルギーを放出している。

 その星が、突然、宇宙から消えた。

 消えた理由として考えることは2つ。1つは、「宇宙のダスト (dust)が、星の光を部分的に遮蔽し、光度が極端に低下した」。他の 1つは、「超新星爆発を起こすことなく、一挙にブラックホールをつくってしまった」。現在のところ、後者の見方が有力。

An image of the Kinman Dwarf galaxy, taken by the Hubble Space Telescope

 もし、超新星爆発を伴わない、超新星の一生の終わり方があるとすれば、天文学上の快挙だ。この現象を説明するためには、新たな宇宙物理理論の構築が必要になるかも知れない。

 なお、Mr Allanらの研究結果の詳細は「The Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に発表された。 

 

おわりに:星が消えては、星占いもお手上げだ。しかし、どんな占い師も、これを「吉」とは捉えないだろう。天が人類に示した大災難の前触れ、兆候か。

      (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com