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もしも孤島でコロナに感染したら!:Scotland「コル島」の例 (BBC-News, April 2, 2020)

Arinagour Harbour, Coll

 日本には大小合せて 6,848の島がある。その内、人が暮らしている島は418。また、日本ほどではないが、緯度の高い Scotlandにも孤島・離島が多い。その数900以上。人々が生活を営む島の数は115を数える。

 全長13miles (約21km)1、幅3miles (約5km)で人口約200人の小さな島「Coll (コル島)」も、その中の一つだ。

 この地を観光しようとすれば、Scotland西岸の港湾都市「Oban (オーバン)」から「CalMac Ferry (カルマック・フェリー)」に乗って2時間半の旅になる。島の産業は農業・漁業に観光。

 元 Scotlandラグビーチームのキャプテンとして活躍した Mr Rob Wainwright (ロブ・ウェインライト)がこの島に移り住んで21年。今は家族 6人で「mixed livestock farm (耕作と放牧の混合型農業)」で生計を立てている。

 その Mr Wainwrightが言うには、コル島は「a gret place to be (住むのにすばらしい場所だ)」。

 しかし、新型コロナウイルス感染が発生して、事情は変わった。確かに、ビーチには何もない。島には空き地がいっぱいだ。これと言ったセールポイント (selling points)が、まったくないのだ。あえて言えば、なんにもないのがセールスポイント。けれど、今は、事業を始める気にもなれないし、観光客にも来て欲しいとは思わない。

 UKでは、どこでも、新型コロナ感染拡大防止のため、移動が制限された。そんな中で、Coll - Oban間のフェリーの利用も厳格に管理されるようになった。フェリーに乗船が許可されるのは、コル島の住人か、公的機関・医療関係者などのキーワーカーに限られる。

Arinagour Harbour, Coll

 それに、Scotland本土で、生活用品を買い求めようとしても、これまでのように「まとめ買い」ができなくなった。「一人 3個まで」と制限される始末。これでは、交通の不便な島のこと。生活に必要な物資を十分にストックすることなど不可能だ。

 さらに、「Coll (コル島)」で、2名の島民が新型コロナに感染した。そのうちの一人は自宅で「self-isolated (自己隔離)」となり、他の一人は、症状の悪化が懸念されて、Scotland本土にフェリーで渡るように勧められた。

 しかし、フェリーで移動するにしても、自分で車を運転できないと、無理だ。

 そうかと言って、緊急用ヘリコプターの出動要請に頼ることもできない。当局は、ヘリコプターにコロナ感染者を搬送する設備が整備されていないとの理由で、感染者の搭乗を断わる。

おわりに:孤島は、平時であれば、静かで暮らしやすいところかも知れない。しかし、コロナ感染などの伝染病が発生すると、一挙に日用品に事欠き、十分な医療処置が受けられなくなる。これが「Coll (コル島)」の教訓だ。 

                       (写真は添付のBBC Newsから引用)

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