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人類の最古の祖先は「ミミズの親玉」:進化の源流にあったもの! (BBC-Science & Environment, March 24, 2020)

Artwork of Ikaria

 およそ46億年前、地球がこの宇宙に誕生し、時は過ぎた。そして、約12憶年前、「多細胞真核生物 (maulti-cellar eukayotic organisms)」が出現すると、生物の進化は一気に加速する。生物の中心軸に対して左右相称 (symmetry)な形態を有する「bilaterians (左右相称動物)」がどんどん進化、分化を繰り返し、クモ、チョウ、ブタ、トラなどが地球上に現われるようになる。もちろん、人類も「bilaterians」に分類される動物だ。

 これまで、人類の「進化の樹」の源流を辿(たど)ると、ミミズ(eathworms)のような軟体動物であることは予想されていた。しかし、その生物が掘り進んだ痕跡が見つかっても、生物そのものの化石が発見されることはなかった。

 ところが、California大学の Dr Scott Evansらの研究グループは、南オーストラリア州のNilpena (ニルペナ)で発見された化石の中に、ついに、人類の元祖、すなわち、人類の最古の親類筋の姿を捉えることに成功した。Dr Evansらは、化石の3Dスキャン画像を見て、驚いたと言う。

 その生物は、体長2 − 7mm、幅 1 - 2.5mmと、米粒ほどの大きさだった。しかし、大きな頭と尾があって、筋肉質の体には横に複数の線が入る。エサを求めて海底の泥の中を這い回るのに適した構造で、その体の体型は、同じ「bilaterians (左右相称動物)」のミミズによく似ていた。

 この「古代のミミズ」は「Ikaria wariootia (イカリア・ワリオーティア)」と命名された。化石が発見されれた地層の年代は、今からおよそ5億5,500年前の、先カンブリア紀の末期に当たる「Ediacaran Period (エディアカラ紀)」だった。

 なお、Dr Evansらの研究結果は「The Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS」に発表された。

 

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian: March 23, 2020

・Fossil hunters find evidence of 555m-year-old human relative

                        (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com