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哺乳動物メスの寿命はオスの約1.2倍:それは、なぜ? (BBC-Science & Environment, March 24, 2020)

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 世界中の、ほとんどの国で、女性は男性よりも約 8%長生きする。このため、110歳以上の超高齢者の10人に9人は、女性が占めるようになった。

 ところが、FranceのLyon大学の Dr Jean-Francois Lemaitreらの研究グループが、野生の哺乳動物101種について調査したところ、調査対象の60%の動物種のメスはオスに比べて18.6%も長生きし、その差は、人類の男女差よりも際立っていることが明らかになった。(研究の詳細は「The Proceedings of the National Academy of Sciences」に発表。)

 このメスとオスの寿命の違いは、どこから来るのか。残念ながら、現在のところ、明確な答えは見つかっていない。

 しかし、Dr Lemaitreらは、「sex-specific trails (性別固有の特質)」と「local environmental factors (生息地域環境要因)」が複合的に働いた結果と見る。 

 たとえば北米の山岳地帯に生息する「Bighorns (Ovis canadensis)」の場合、エサが豊富な地域では、オスとメスの寿命に、ほとんど差が現われないが、冬の気候が厳しい高山になると、オスの寿命は、メスに比べて、ぐんと短くなる。

 まず第一に、ビッグホーンのオスは、その巨体を維持するのに大量のエサが必要だ。また、繁殖期には、メスの獲得を巡るオス同士の戦いで、大変なエネルギーを消耗する。

 このため、オスは、見かけとは裏腹に、生息環境の変化に、メスよりも脆弱なのだと言う。

 さらに、オスとメスで異なる「性染色体 (sex chromosomes)」XYの組み合わせも影響していると考えられている。

 オスの染色体XY型に対して、メスの染色体はXX型。つまり、メスがオスよりも一つ余分のX染色体を持っているため、遺伝子の変異を抑制する力すなわち生き残る力が強いと言うのだ。

 しかし、この染色体の違いだけで、ライオンのオスの寿命が、メスの半分になるとは、どうしても考えにくい。

 生命の誕生とその死、それに病気も、不思議と謎に満ちているが、メスとオス、女性と男性の、肉体の違い、寿命の違いもミステリィの世界だ。

 創造主は、これをどのように説明するだろう。 

おわりに:少々飛躍するが、男性が女性の心を、あるいは逆に、女性が男性の心を推し量ろうなどとは、どだいむりなこと、創造主にも不可能なことではないか。宇宙には不意義がいっぱいなのだから.......。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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