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ダーウインの「進化論」に疑問:不可解で「忌まわしきナゾ」! (BBC-News, Jan 30, 2021)

Letters - Charles Darwin 

『人類がサルから進化したなどとは、とんでもない「でっち上げ(fake)」だ。聖書 (Bible)に書いてあるではないか。「神が人間をおつくりになられた」と。それともなんだ、聖書に書かれていることは嘘だと言うのか。』

 USでは、このように信じて疑わない家庭が多数存在し、学校で子どもに進化論を教えることに反対するという。

 

 確かに、Charles Darwin (チャールズ・ダーウィン[1800-1882])をして、生涯悩ませた問題があった。それは「flowering plants (開花植物)」の出現。生物学の世界では、これを「angiosperms (被子植物)」と呼ぶ。つまり、花を咲かせ、実をつける植物のことだ。オーク(oaks)に野草、睡蓮 (water lilies)などの仲間がこれに当たる。

Blossom on cherry trees

 開花植物は、約 1億年前の「Cretaceous (白亜紀)」に、突如として地球上に現われ、またたく間に、多くの品種に分化した生物だ。

 それ以前、地球上にあった植物といえば、もっぱら「gymnosperms (裸子植物)だった。conifers (針葉樹)、ferns (シダ類)、algae (藻類)などの仲間が生い茂っていただけだった。

 

 この開花植物の出現は、ダーウィンの進化論「種の起源 (The Origin of Species)」の根本原理

natura non facit saltum

“ Nature makes no leap. ( In nature, things change gradually.)”

[ 自然は飛躍しない。( 自然にあっては、全てが徐々に変化する) の意 ]

を真っ向から否定するものだった。

 

 ダーウィンは、1879年、親しい友人の Dr Joseph Hookerに宛てた手紙の中で、このことを「abominable mystery (忌まわしきナゾ)」と書いて、進化論では解明できない歴史的な事実に対し、その苦悩の胸の内を明かしたと言う。

Tulips in bloom in Magdeburg, Germany

 実は、ダーウィンがこの世を去る 5, 6年前の1876年、ダーウィンとはライバル関係にあった著名な植物学者で古生物学 (paleobotany)の権威 William Carruthers (ウイリアム・カールーサーズ)が、進化論の矛盾をついて話題になっていたのだ。

 Carruthersは進化論を攻撃し、『開花植物の出現に至った経緯を証明する「fossil record (化石記録)」が発見されていない』と主張。開花植物は進化の過程を経て地球上に現われたのではない。いわく、

・God has created the angiosperms in the Cretaceous.

 [ 白亜紀の時代、神が被子植物をおつくりになられたのだ。]

Botanical room of the British Museum in 1858

 ダーウィンにとって、これは耐え難い「anthem (のろいの言葉)」であった。ダーウィンは死の直前まで「inexplicable puzzle (不可解なナゾ)」に苦しめられ、また、それを恐れながらこの世を去ったという。 

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com