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驚くべきは肺細胞の生命力:そんなタバコの煙で死んでたまるか? (BBC-Health, January 29, 2020)

Cigarette

 「摩訶不思議な力 (margically ability)」とは、このことだ。たとえ死にかけても、息を吹き返すことが証明された。なに、タバコの煙で、ほとんどガン化した呼吸器系の「airways (気道)」の細胞のことだ。

 これを発見したのは「Wellcome Sanger Institue」の Dr Peter Campbellらの研究グループ。Dr Campbellらは、今はタバコをやめているが、かっては、40年間も毎日タバコ1箱を吸っていた人の、気道内壁の細胞サンプルについて調べた。

 そのほとんどは、有害なタバコの煙で細胞のDNAがズタズタに損傷し、遺伝子に異常を来して、まさにガン発症直前の状態だった。

 しかし、驚いたことに、タバコの煙の猛攻にあっても、その攻撃から無傷で生き延びた細胞があることを発見した。それも、タバコをやめた後に、その無傷の細胞は、ガン化直前の細胞を押しのけるように復活していた。

 なぜ、呼吸器系の一部の細胞が、これほどまでに「genetic devastation (遺伝子損傷)」を免れて、生き残ることができるのかは、不明。

Healthy lungs

 確かなこととして言えることは、タバコをやめると、肺組織の損傷・ガン化に歯止めが掛かること、そして、タバコの煙に含まれる数千の有害化学物質の攻撃から逃れた細胞に、復活のチャンスが与えられることだという。

 イギリスで、1年間で肺ガンと診断される患者数は約47,000人 (日本: 約125,000人)。その、およそ 3/4は喫煙に原因があるとされる。

 タバコを吸っている人は、どうせ「もう手遅れ」だと、あきらめることはない。タバコをやめた瞬間から、強靭な「生命力」が、壊れてガン化寸前になった細胞の修復・復活の取り組みをスタートさせることが分かったのだ。

 なお、Dr Campbellらの研究内容の詳細は、科学雑誌「Nature」に発表された。

おわりに:健康を害し、不幸を招く悪癖のタバコは、その身が滅ぼされる前に、さっさとやめること。賢者の選択だ。

                                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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