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「がまんにも、ほどがある」:持ち込んだゴミは持ち帰れ! (BBC-News, January 20, 2020)

Malaysia's environment minister Yeo Bee Yin (second left) inspects a container of plastic waste

 権力者・無法者は、自宅の庭先にあるゴミ・不浄物を、立場の弱い人の敷地に捨てようとする。その理不尽さ、わがまま、強引さには目に余るものがある。

 自国の利益しか考えない国とて同じだ。世界の大国は、自国で処理に困ったプラスチックゴミを、経済力・軍事力の弱い国や苦情の申立が不得手な国に、これまでどんどん送り込んできた。

 その理由には次の3点があるという。

・経済格差のある他国に送り込んだ方が、ゴミの処理コストが安くつく。

・単なるゴミではなく「recyclable waste (資源ゴミ)」だと言い張り、自国のリサイクル目標を達成できる。

・自国内の処理施設 (埋立処分場など)の建設が不要になる。

 

 2017年、中国は、海外からのゴミの受入れを全面的に禁止した。すると、EU北米大陸の港で海上コンテナ船に積み込まれたゴミが、インドネシア、フィリピン、マレーシアなどの東南アジア諸国に、大量に持ち込まれるようになった。 

 なかでも、世界で最も多くのゴミを他国に押し付けているのは、US (アメリカ)だ。Waste at an illegal plastic recycling factory in Malaysia

 そして、遂に、寛容な国マレーシアにあっても、その堪忍袋の緒が切れた。

 環境大臣 Ms Yeo Bee Yinは、『マレーシアを世界のごみ捨て場にしない』と宣言。マレーシアに不法に持ち込まれたプラスチックゴミを、全てその船積み国に送り返すことを決定した。

 すでに、トラック約370台分に相当する3,737トンのプラスチックゴミがFrance, UK, US, Canadaを含む世界13ヶ国に向かって送り返されたという。

 今後さらに、今年の中頃までに、110ヶのゴミ・コンテナを各国に引き取ってもらう計画だ。その中には UKから送り込まれた60ヶのコンテナも含まれる。

 マレーシアの環境大臣が言うことには、『イギリス国民はリサイクル資源と偽って、我が国にゴミを捨てている』。

 これに対してUK当局は弁明にやっきだ。『マレーシアから送り返されたゴミは、それを送った会社の責任の問題であり、罪を犯したものは、イギリスの法に基づいて裁かれる。不法にゴミを他国に向けて船積みしたものは、最大懲役 2年ならびに無制限の罰金が課される』との声明を発表。

おわりに:プラスチックゴミであれ医療廃棄物であれ、ゴミは圧縮するといくらでもコンパクトに固めることができる。恐ろしいのは、その中身が雑多なことにある。詰め込まれたゴミは、どれも迂闊に手を触れることのできないものばかりだ。最も危険なゴミは、使用済みの注射針やカテーテルなどの医療廃棄物だろう。日本の至るところの海岸で、その医療廃棄物が打ち上げられるようになった。絶対に、これに近づいてはいけない。世のため人のためと思って、これを拾い上げてはいけない。

            (写真は添付のBBC-Newsから引用)

www.bbc.com