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赤外線画像で乳ガンが見つかった!:でも、なぜか医者はこれが嫌い! (BBC-News, October 22, 2019)

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 「mamma (ママ)」、「mummy」、「mom」は、どれもラテン語の「mamma」に由来し,それは「mother」と「breast」の 2つを意味する。乳ガンX線検査「mammography」の「mammo-」は、後者の「乳房 (mamma) の連結系。
 マンモグラフィは、これまで多くの女性の命を救ってきた。それは確かだ。しかし、その反面、決して心穏やかとは言いがたい、嫌なX線照射を何度も浴びた上に、不必要な手術を半ば強要される「overdiagnoses (過剰診断)」のリスクもある。
 なんとも歯がゆいのが現状だ。医者の誠実性、医療技術レベルにムラがあり、これを全面的に信頼できる環境になっていない。

 ところが、Berkshireの「slough (スラフ)」に住むMs Bal Gill (41歳)を救ったのは、この「mammography (マンモグラフィ)」ではなくて、「thermography (サーモグラフィ)」だった。
 Ms Gillは、ある大学の経理部で「deputy-director (副部長)」を務めるキャリアウーマン。今年5月、家族を連れてScotlandのEdinburgh (エジンバラ)に出かけた。旧市街のメイン通り「Royal Mile (ロイヤル・マイル)」の坂をのぼって、観光名所の博物館「The Camera Obscura and World of Illusions (カメラ・オブスクラと幻想の世界)」に立ち寄った。

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 その一室に「thermography (サーモグラフィ)」すなわち「thermal imaging (赤外線画像カメラ)」が据えられていて、誰でも、自分の手や足の赤外線温度分布画像を見ることができた。

 Ms Gillが、そのカメラの前に立って、映し出された赤外線画像に驚く。左の胸が、異様に熱を帯びていたのだ。他の人の画像に比べると、その差は歴然だった。Ms Gillは、直ぐさま、その画像を写真にとった。そして、帰宅後、ネットで情報を集めるとともに、専門医の診断を受けた。
 結果は「early stage breast cancer (初期ステージの乳ガン)」だった。

 「mastectomy (乳房切除)」は避けられなかったが、幸い、発見が早かったので「chemotherapy (化学療法)」や「radiotherapy (放射線治療)」を受けずに済んだという。

" Cancer cells grow and multiply very fast. Blood flow and metabolism are higher in a cancer tumour as blood flow and metabolism increase, which makes skin temperature rise."

 [ ガン細胞は急速に増殖する。このとき、腫瘍細胞内を流れる血液の量が増し、代謝も活発になるため、患部の皮膚の温度が上昇する。]

 なお、Scotland「NHS Lothian」の医長 Dr Tracey Gilliesによると、

"In the past thermal cameras have been experimented with to detect cancer, however, this has never been a proven screening tool."
[ 過去には、サーモグラフィが試験的にガン診断に使用されることもあった。しかし、これが信頼できるガンのスクリーニング手段となることはなかった。]

したがって、この、放射線被曝とは無縁で、その上、簡便な「non-invasive tests(非侵襲的検査)」が可能な、「サーモグラフィの医学的有用性が、Ms Gillによって実証されたことになる。

おわりに:「thermography」の価格は、「mammography」に比べたら、とんでもないほど安い。なぜ、医療用サーモグラフィの普及と、より精度の高い画像解析技術の開発を進めないのか、極めて不思議に思う。おしなべて、行政当局ならびに医療関係者の、病気の予防・診断に対する熱意・意欲が低い。

                                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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