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乳ガンに対する「攻めの一手」:Cardiff 大学の新治療法! (BBC-News, June 4, 2019)

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 女性の最大の敵は、なんと言っても「乳ガン (breast cancer)」だ。それも、40代の発症リスクが高い。
 乳ガン腫瘍細胞は狡猾だ。ガン細胞内に、女性ホルモン「oestrogen (エストロゲン)」を食い物にするための道具「osetrogen-receptors (エストロゲン受容体)」をもっていて、これを女性ホルモンに合体させては、自らのガン細胞を増殖させる。
 
 UKで、毎年新たに乳ガンと診断される患者数 (乳ガン罹患者数)は約55,000人。その内の75%が「oestrogen-receptor positive (エストロゲン受容体をもった)」すなわち「ER positive breast cancer (ER 陽性乳ガン)」だ。

 このタイプの乳ガンの治療では、腫瘍細胞の「受容体 (レセプター)」の働きを阻害し、女性ホルモンの分泌を抑制する「hormone treatment (ホルモン療法)」が一般的だ。
 ところが、従来の治療法では、直ぐに行き詰まってしまうという。こともあろうに、「AKT」あるいは「protein kinase B (プロテイン・キナーゼB)」と呼ばれるシグナル伝達物質が、ガン細胞の味方をし、ホルモン療法に対する抵抗力を強めてしまう。

 そこで、Cardiff大学 Dr Rob Jonesらの研究グループは、新たな治療法を開発し、その効果を臨床試験で確かめた。
 Dr Jonesらは、ホルモン療法に邪魔な「AKT」の力を「Capivasertib(カピヴァセルチブ)」で無力にし、この薬と一緒に「fulvestrant (フルヴェストラント)」を投与した。この薬剤の組合わせは、これまで治療に使われたことがなかったという。

 すると、この治療を受けた乳ガン患者の40%は、ガン腫瘍に「significant shrinkage (顕著な縮小)」が認められ、生前期間も従来の治療法に比べて約2倍に延びた。
 Dr Jonesらの研究結果の詳細は「The American Society of Clinical Oncology (アメリカ臨床腫瘍学会)」年次総会にて発表予定。

 なお、国立がん研究センターのHP資料によると、日本の乳ガン罹患率は10万人当たり116.3人(2014年)。これに対し、Walesの女性の罹患率は、10万人当たり177.5人(2013-2015年)と、日本に比べて、やや、乳ガン罹患率が高い。
 世界中の多くの女性が乳ガンに苦しめられている。一刻でも早い、完璧な治療法が望まれる。
               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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