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「雪の女王」の宮殿でさえ:マイクロプラスチックがいっぱい! (BBC-Science and Environment, August 14, 2019)

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 澄んだ小川のせせらぎに出会うと、心が洗われる。澄み通った青い空は希望を与える。穢(けが)れのない真っ白な雪は、純粋な神の世界を思わせる。
 しかし、その水も、大気も汚れに汚れ、無垢の雪まで汚されて、穢 (けが)された。

 ヨーロッパ大陸に降る雪は、1 Litre 当たり平均約24,000ヶの「microprastics (マイクロプラスチック)」で汚染され、そして、その汚染範囲は、人類にとって最後の「無垢な自然環境 (pristine environment)と言われた「北極圏 (Arctic)」にまで及ぶに至った。

 「The Alfed Wegenaer Insititue for Polar and marine Research (アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所)」の Dr Melanie Bergmannらの研究チームが、科学雑誌「Science Advances」に発表した研究調査によると、北極の海に浮かぶ「海氷 (sea ice)」のサンプルから、1 Litre当たり12,000ヶの「microplastics」が見つかった、
 さらに、北極圏のノルウェー領「The Svalbard Islands(スヴァールバル諸島)」に降った雪からは、1 Litre当たり10,000ヶを超える「microplastics」が発見された。

 「microplastics」とは、「The US National Oceanic and Atmosphere Administration (アメリカ海洋大気庁NOAA)」によると、長径(長さ)が 5mm以下の微粒子と定義される。
 一人の人間が、大気中に浮遊する「microplastics」を 1年間で吸い込む数は約50,000ヶとの研究報告もある。すでに、肺ガン患者のガン腫瘍細胞から「microplastic fivres」が検出されており、これが発ガン性物質として働いた疑いは濃厚だ。

 しかし、Dr Bergmannは、1µ以下の超微粒子については測定不可能という。むしろ、人間の体にとって、もっと危険で有害なのは、その測定不可能なサイズあるいは「ナノ粒子 (nano-scale particles)」と呼ばれる極小微粒子だ。ナノ粒子は、人間の細胞や臓器に簡単に侵入して蓄積し、甚大な健康被害を及ぼす恐れがあるという。

おわりに:マイクロプラスチック (microplastics)と聞くと、それは海や河川の汚染問題か、と思いがちだ。ところが、いまでは、「新鮮な空気」が夢物語になるほど、地球上のどの空気も、「microplastics」で汚染されていることが証明された。
 遙か北の大地にそびえるという「雪の女王」の氷の宮殿。宮殿内の湖もその氷の柱も、宮殿内の凍てつくように澄み切った空気の、どれもが人間界のゴミで穢 (けが)されて、さぞかし、「雪の女王」はお怒りのことだろう。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。ここに記して謝意を表したい。

The Guardian: August 14, 2019
・Microplastics 'significantly contamination the air', scientists warn

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com