TV、パソコン、タブレット画面の見すぎの子ども:知的発達に遅れ! (BBC-Health, January 28, 2019)
2, 3歳のヨチヨチ歩きの子ども (toddlers)に、パソコンやタブレット端末をあずけたり、TVを見せておくと、子どもは静かだ。その間に、親は家事あるいは自分のホビーに集中できる。でも、それって、子どもの知的発達にプラスになるの?子どもの「mental health」に支障はないの?
CanadaのCalgary大学 Dr Sheri Madiganらの研究グループは、TV、パソコン、タブレットなどスクリーン画面が子どもの知的発達にどのように影響するのかについて調査し、その結果を医学雑誌「JAMA Paediatrics」に発表した。
研究は、基本的に、カナダの2歳児約2,500人を対象にした発達追跡調査。母親にアンケート形式で、子どものTV、パソコン、タブレットなど「screen time (スクリーン画面の暴露時間)」を2歳、3歳、5歳の時点で尋ね、その調査結果を子どもの言語能力、コミュニケーション・スキルなどの知的発達に関する試験の結果に比較した。
以下は、その「screen time」の集計結果だ。
Age Screen Time (average)
・ 2 year-old 17 hours/week
・ 3 year-old 25 hours/week
・ 5 year-old 11 hours/week
ところが、この平均値よりも長時間、スクリーン画面を覗いている子どもには、言葉の習得、コミュニケーション・スキルなどの知的発達に遅れが目立ち、「interpersonal skills (対人能力)」が劣って、「sociability (愛想)」がなくなる傾向が認められた。
ただし、この論文には批判もある。子どもが見ていたスクリーン画面の内容が不明、あるいは、どの程度の時間だったら、子どもの発達に影響がないと言えるのか、そもそも、子どもにタブレットをあずけることに問題性があるのか。さらに、子どもの発達には、そんなスクリーン画面暴露時間よりも、睡眠時間、子どもに読み聞かせる母親の読書、育児に対する母親の積極性などが大きく影響するはずだ、などなど。
しかし、細かいことに、くどくどと刺さるよりも、Dr Madiganらのデータ分析の結果は、育児教育に有効に活用されるべきだろう。
子どもがいつも「ぶっちょうづら」をして、めったに口もを利かず、母親にも、スマホでメッセージを送る姿は、背筋が寒くなるほど不気味だ。
それは、職場でよく見掛ける光景でもある。軋轢 (あつれき)の仲にある人と人が、わずか数十歩の距離にありながら、「言いたいこと」を、メッセージ形式で職場のパソコンに打ち込む姿に酷似する。
(写真は添付のBBC Newsから引用)