モロッコのネコは凶暴、狂犬病:イギリス人咬まれて死亡 (BBC-News, November 12, 2018)
春の雪融けのシーズンになると、小鳥たちは、にわかに騒ぎ始める。カナダの森を散策すると、小鳥たちがやって来て、手の平に乗った。野生動物との、こんな出会いは格別だ。
ところが、どの「Provincial Parks (州立公園)」でも、野生動物に対する注意喚起の立て看板が目立った。かわいらしい「chipmunks (シマリス)」も例外ではない。その理由は、狂犬病(rabies)。一般に、イヌ、ネコ、ラクーン、キツネ、リス、そしてコーモリなどが、人間にそのウイルスを媒介する動物とされる。ただし、感染ルートの99%は、飼い犬(domestic dogs)。
近年、英国、日本では狂犬病ウイルスが確認されていないが、WHOによると、世界150ヶ国以上、とくにアジア、アフリカ諸国を中心に狂犬病が発生し、毎年、数万人が死亡している。なかでも、狂犬病リスクの高い国はMorocco, Algeria, Tunisiaを含む北アフリカ諸国など135国に及ぶ。
「PHE (イングランド公衆衛生局)」は、Moroccoでイギリス人がネコに咬まれて死亡したと発表し、ウイルス感染国に旅行を計画している人は、旅先で動物に接触しないようにと、注意を呼びかけている。
なお、2012年にも南アフリカでイギリス人が犬に咬まれて死亡している。
1.What is rabies?:狂犬病とは
"Rabies is a viral infection that affects the brain and central nervous system. It is passed through bites and scratches from infected animals."
"There are no documented instances of it being trasmitted via human to human contact."
[ 狂犬病は、ヒトの脳、中枢神経系を冒すウイルス感染症。ウイルスに感染した動物によって咬まれたり、引っ掻かれた傷から感染する。]
[ (ただし、) これまで、ヒトからヒトに感染した例は報告されていない。]
・狂犬病ウイルスの「潜伏期間 (incubation term)」(ウイルスが体内に侵入してから発症するまでの期間)は、およそ 3 - 12週間。
・初期の症状 (initial symptoms)には、「anxiety (不安神経症)」、「headache (頭痛)」、「fever (発熱)」が見られ、病気が進行するにつれて、「hallucinations (幻覚)」、「respiratory failure (呼吸不全)」に陥ることも。
・咽の筋肉 (輪状咽頭筋)が痙攣 (spasms)し、水を飲むのが困難になる。
2.Medical treatments:治療
・野生動物あるいはイヌ、ネコなどに咬まれたり、引っ掻かれたり、なめられたりしたときは、患部を石けんと水で十分に洗い流し、直ちに病院で診断を受けること。
・咬まれたら、症状が悪化する前に、「ワクチン注射 (past-bite vaccination)」を打つように。必要に応じて「狂犬病に対する免疫グロブリン (抗体) (rabies immunoglobulin)」が使用される。
3.Pre-exposure immunisation:予防ワクチン接種
・狂犬病を発症しても、治療対策が十分に整わない国も多いことに注意。
・狂犬病ウイルス感染国や辺境の地へ渡航・旅行を計画している人は、前もって予防ワクチン接種を受けると安全だ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)