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神々の食べもの「チョコレート」:その5,000年の歴史 (BBC-Science & Environment, October 30, 2018)

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 チョコレートづくりに欠かせないカカオ (cacao)。その学名は「Thepbroma cacao」。「神々の食べもの」という意味だ。「cacao」の語源は、中米・メキシコ一帯の先住民「Nahua ( ナワ族)」が話した「Nahuatl (ナワトル語)」の「cacua」に由来するとされ、「chocolate」の語源もナワトル語「xocoatle」で、その意味は「bitter drink (にがい飲みもの)」。

 カカオは、スペイン人の探検家 (略奪者 looters) が1520年代に本国に持ち帰り、その後「delicacy (とろけるような味)」をヨーロッパ中に広めた嗜好品。

 これまで、カカオが歴史に現われたのは今から約 3,500年前とされてきた。ところが、British Columbia大学の Michael Blaker教授らの研究グループは、Ecuador高地の古代遺跡「Santa Ana」で発掘された陶器に注目し、その陶器にこびり付いていた「chemical residues (化学物質の残留物)」を精査した結果、それは約 5,000前のカカオであることが判明した。
 どうやら、「Amazon rainforest (アマゾン熱帯雨林)」の一帯では、先住民 (indigenous people)が、約 5,000年前からカカオを食べものとして、あるいは飲みものして、または疲労回復の妙薬として使っていたようだ。
 (研究結果の詳細は、科学雑誌「Natural Ecology & Evolution」に発表。)

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 カカオの木は高温多湿の気候を好み、Mexico、中央アメリカ、南米北部に自生する植物。その木は、生長すると奇妙にも、「cocoa pod (カカオ・ポッド)」と呼ばれる大きな莢 (さや) を幾つもぶら下げる。その中には、白い果肉 (white pulp)に包まれて、「seeds (種子)」が 30 - 40粒詰まっている。
 この種子を発酵させると、独特の風味を備えた「cocoa beans (カカオ豆)」となり、これをさらに乾燥させ、煎 (い) って使用した。

 アマゾン熱帯雨林で収穫されたカカオ豆は高値で取り引きされ、海上ルートでMexicoや中央アメリカの遠くまで運ばれたという。いずれにしても、カカオは「神々の食べもの」。ほんの一握りの裕福な人のみが口にできた、贅沢なものだったことは確かなようだ。

 それから、約 5,000年が過ぎて、時代が変わった2008年度 (2008-2009)。世界で生産されたカカオ豆の量は 3,515,000トンであった。誰もがチョコレートを買える幸せな時代になったのだ。
 なお、チョコレート大好きの人には、次の一冊を勧める。

武田尚子:チョコレートの世界史、中央公論新社、2010


                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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