市販のヨーグルトに砂糖がたっぷり:これって健康食品? (BBC-Health, September 19, 2018)
ヨーグルト (yoghurts)は、確かに、カルシウム、タンパク質、ビタミンB12が含まれている栄養源ではある。しかし、スーパーに並ぶ各種ヨーグルトが、全て「健康食品(healthy foods)」であると「思い違いしてはならない (should not be lulled into thinking)」。
Leeds大学の Dr Bernadette Mooreらの研究グループが、2016年の秋にイギリス全土のスーパーで販売されている各種のヨーグルト900ヶ余りについて調査したところ、驚くほどの砂糖が混入されていることが分かった。(調査研究結果の詳細は、医学雑誌「BMJ Open」に発表。)
その市販ヨーグルトを 8種のカテゴリーに分類し、商品100g当たりの糖分(g)の分析値をカテゴリー別に示すと、次のようになった。
Group Sugar Content
・Desserts:デザート・ヨーグルト 16.4g/100g
・Organic:オーガニック・ヨーグルト 13.1g/100g
・Flavoured:フレイヴァード・ヨーグルト 12.0g/100g
・Fruit:フルーツ・ヨーグルト 11.9g/100g
・Children's:子どもヨーグルト 10.8g/100g
・Daily alternatives:日替わりヨーグルト 9.2g/100g
・Drinks:飲むヨーグルト 9.1g/100g
・Natural and Greek:ナチュラル・ギリシャヨーグルト 5.0g/100g
砂糖たっぷりのヨーグルトを子どもに食べさせては、子どもの肥満 (obesity)や虫歯(tooth decay)を招く恐れがある。NHSは、子どもが摂取する糖分基準値を次のように定めている。
・4 - 6歳の子ども :糖分19g/日(1日角砂糖5ヶ分)以下
・7 -10歳の子ども:糖分24g/日(1日角砂糖6ヶ分)以下
なお、食品に含まれる糖分が少なく「low sugar (低糖)」と判断され、グリーンラベル表示が許可される商品は、糖分が 5g/100g (商品100gにつき糖分5g)以下であることが必要だ。Dr Mooreらの調査で、この基準を満足したヨーグルトはわずか 9%であった。
「Public Health England (イングランド公衆衛生局PHE)」は2016年に食品の糖分をらすように食品メーカーに勧告している。しかし、業界は「笛吹けど踊らず」の状態のようだ。
そこでDr Mooreが勧めるヨーグルトの食べ方は次のとおり。
・糖分 0 (ゼロ) のナチュラル・ヨーグルトを買い求め、これにナッツ類、フルーツを混ぜると美味しい。
結論:完璧な健康食品は自分で取りそろえるしかないようだ。
謝辞:今回も、BBCの記事の解像度を上げるため、以下の「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
The Guardian:September 19, 2018
[ Children's yoghurts contain 'shocking' amounts of sugar, study finds]
(写真は添付のBBC Newsから引用)