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オメガ3サプリの神話が崩れた:心臓疾患の予防には役立たず! (BBC-Health, July 18, 2018)

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   大した根拠もないのに、勝手に持ち上げられたり、けなされたりするのは世の常だが、「オメガ3サプリメント」も御多分に洩れない。

 1980-1990年代に実施された臨床試験から、オメガ3のサプリメントは、なぜか、「心臓血管疾患 (cardiovascular disease)」の予防に効果があると、世間一般では信じられるようになった。一度、うわさが広まると、心臓に不安を抱えた多くの人は、せっせと魚油 (fish oil)やオメガ3のサプリメントを買い求め、このカプセルを飲み続けた。お陰で薬品メーカー、薬局などは大変な儲けを得たはずだ。

 ところが「Cochrane collaboration (コックラン共同計画)」で、East Anglia大学のDr Lee Hooperらの研究グループは、被験者112,000人以上にのぼる「オメガ3に関する臨床試験」の結果を精査したところ、オメガ3は心臓発作 (heart attack)、脳卒中 (stroke)、早死 (early death)の防止には、ほとんど役立たないことが判明した。

 オメガ3は、体を健康を保つ上で重要な「多価不飽和脂肪酸 (polyunsaturated fat acid)」。オメガ3グループのなかで、人の体内ではつくれない「α-リノリン酸ALA(alpha-linolenic acid))」は、クルミなどのナッツ類、菜種油 (rapeseed oil)に含まれる。
 一方、このALAから体内で合成される「エイコサペンタエン酸EPA (eicosapentaenoic acid)」や「ドコサヘキサエン酸DHA (docosahexaenoic acid)」は、サバ (mackerel)、ニシン (herring)、イワシ (pilchard)、サンマ (saury)、サーモンなどの脂っこい魚 (oily fish)や「cod liver oil (タラの肝油)」に多く含まれる。

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 したがって、研究者のお薦めは、オメガ3サプリを買うお金があったら、ナッツ類や青魚を購入し、魚は1週間に一度食べた方がいい。
 ただし、魚といっても、shark (サメ), marlin (マカジキ), swordfish (メカジキ)には、微量ながら水銀が含まれているため、妊娠中の女性や16歳以下の子どもは食べない方がいいという。

 なお、この一文をまとめるに当たって、以下のThe Guardianの優れた記事も参考にした。記して謝意を表したい。

The Guardian: July 18, 2018
・Omega-3 no protection against heart attack or strokes, say scientists

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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