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こんなに尽くしているのに、殺すなんて!:ミツバチの受難 (BBC-Science & Environment, June 29, 2017)

https://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/14B5/production/_96610350_c0128426-honey_bee_hive-spl.jpg

 ミツバチ (bees) の一生は短い。それでも、せっせと花の蜜を集め、植物の受粉(pollination) を手伝う。それなのに、人間は容赦なく農薬 (殺虫剤) でミツバチを苦しめ、その個体数を激減させて来た。

 「European Commission (欧州委員会)」は、2013年、ミツバチの減少を食い止めるため、「neonicotinoid pesticides (ネオニコチノイド系殺虫剤)」の使用を「temporary ban (一時禁止)」とした。
しかし、この決定に対して、農薬は安全と豪語する農薬製造メーカー「Syngenta(シンジェンダ)」、「Bayer (バイエル)」はじめ、農業団体は猛反発。「The European Crop Protection Association, ECPA (欧州作物保護協会)」は、この農薬規制で年間€900m (約1,200億円) の農産物被害が発生していると訴える。

 そこで、「The Cntre for Ecology and Hydrology (英国生態・水文学センター)」のRichard Pywell 教授らの研究チームは、UK, Germany, Hungary にまたがる 2,000haに及ぶ大規模農薬 (殺虫剤) 調査を実施した。 
 その結果、ネオニコチノイド系殺虫剤によって、bumbles (マルハナバチ)、solitary bees (ソリタリー・ビー) はコロニーの巣に女王バチを残せなくなっていることが分かった。

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/6AA5/production/_96610372_c0223558-buff-tailed_bumblebee_on_a_pansy-spl.jpg


 なお、「wild bees (野生のミツバチ)」の巣から、2013年以降、使用が禁止されているはずのネオニコチノイド系殺虫剤の一種「imidacloprid (イミダクロプリド)」が検出された。(一連の詳細な研究内容は、科学雑誌「Science」に掲載。)

 また、ミツバチ (honeybees) については、UK, Hungary で農薬の影響が深刻で、Hungary ではコロニーの 24%が冬越しできずに全滅し、イギリスUKでもその死滅率 (hive mortality) が高かった。
 ところが、ドイツでは、野の花の種類が多く、また、ミツバチに病気が広がっていなかったせいか、農薬が、「冬越しするミツバチ (overwintering honeybees)」に悪影響を与えている確たる証拠は、認められなかった。

 農薬業界最大手の「Syngenda (シンジェンダ)」は、これを見逃さない。『Pywell教授らの研究データは「valuable but variable (有益だが、可変的)」。まだ、ネオニコチノイド系殺虫剤の有害性が証明されたわけではない』と鼻息が荒い。

 しかし、カナダのトーモロコシ生産地域にて実施された調査でも、ネオニコチノイド系殺虫剤は、働きバチ (worker bees) の寿命 (life expectancy) を短くし、女王バチをつくり出せなくなっているとする結果が導き出され、科学雑誌「Science」に発表されている。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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