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睡眠があたなの魅力を引き立てる!:スエーデンの科学大実験 (BBC-Health, May 17, 2017)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/928D/production/_96071573_gettyimages-508289462.jpg

 顔 (face) は心の鏡。悲しさや怒り、喜びなどの内的な感情に留まらず、その人の気品や貪欲な性格までも映し出す。さらに、体の具合も、顔に現われてしまう。
 周りの人は、その顔の表情から、自らの印象・感性、経験などを頼りに、相手の心や体調に関する情報を読み取り、人間関係を積み上げている。

 怒りっぽい人はむろんのこと、どことなく病的に見えたり、覇気に欠ける人には、何かしら近づきがたいものを感じてしまう。つまり「魅力 (attractiveness)」が薄れる。

 Sweden「The Karolinska Institute (カロリンスカ研究所)」の Dr Tina Sundelin らの研究グループは、『睡眠を十分にとらないと、人の魅力がどのように変化するか』について革新的な実験を実施し、その結果を科学雑誌「Royal Society Open Science」に発表した。

 実験台 (guinea pigs) として協力したのは、男女 25 名の学生。初めに、このボランティアの被験者には、2 夜連続して睡眠を十分にとってもらい、その 1 週間後、今度は、睡眠時間を4時間に制限した 2 夜を過ごしてもらった。
 いずれの実験でも、目覚めた被験者の「素顔 (make-up free face)」を写真に撮り、第3者 (strangers) として協力して戴いた Stockholm (ストックホルム) 在住の男女 122人に、その写真を見せて、次の 5項目に関する評価をお願いした。

・attractiveness    :魅力
・health                :健康度
・sleepiness        :眠たさ
・trustworthiness :信頼度
・How much would you like to socialise with this person in the picture? :写真の人とお付き合いしてみたいレベルは?

 その結果、睡眠不足で、「dark-circled 'panda' eyes (パンダのように目の周りに隈(くま))」ができていたり、「puffy lids (まぶたが腫れている) 」人については、健康に不具合があり、近づきがたいと判断されることが分かった。つまり、「beauty sleep (美容のための睡眠)」は正しいことが科学的に証明されたのだ。

  Dr Sundelin は、結論として次のように述べる。

"An unhealthy-looking face, whether due to sleep deprivation or otherwise, might activate disease-avoiding mechanisms in others."
"In other words, people don't want to hang around with people who might be ill, whereas someone who looks energetic and ft will hold lots of appeal."

[ 睡眠不足であれ、何であれ、顔がやつれてみえる人に対しては、病気の感染を避けようとする人間の心理的なメカニズムが働く。]
[ 言い換えるなら、人は誰でも、病気がちに見える人とは関わりたくないのだ。逆に、はつらつとして健康そうに見える人には、魅力を感じる。」

 なお、Liverpool 大学の心理学者 Dr Gayle Brewer のコメントは、

"We want our partners to be attractive and energetic."
[ パートナーには、いつも魅力的で、はつらつとしていて欲しいと願うものだわ。]

 だから、自分のためだけではなく、一緒に暮らすパートナーのためにも、どうか、十分な睡眠を。
               (写真は添付のBBC Newsから引用。)