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痩せすぎと太りすぎ:世界ではどっちが多い? (BBC-Health, April 1, 2016)

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 戦中・戦後の日本では、食糧難に苦しみ、やせっぽが多かったと聞く。その後、社会が平和になり、生活が安定して家計にゆとりができると、人の体形もやせ形から恰幅の良い体つきに変わった。
 肥満 (obesity) の原因として、口に入れる食べ物の質と量、それに運動不足なども考えられるが、個人の努力だけで解決できる問題でも、何か1つの対策で解決できる問題でもなくなったという。

 さて、London大学 Imperial College の Majid Ezzat 教授らは、1975 から 2014年にかけて、イギリス在住の成人男女約 2 千万人の「Body Mass Index, BMI (体格指数)」を調査したところ、この 40 年間で、「肥満 (BMI ≧30)」に該当する男性が 3 倍、女性で 2 倍以上も増加し、それぞれ 680 万人、770 万人となっていることがわかった。

 40 年前は、と言えば、イギリスでは肥満の人よりも、「低体重 (BMI<18.5)」に分類される「やせ過ぎ (overly-thin)」が、比率にして 2 倍も多かった。今日、その比率が逆転してしまったのだ。

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"For instance, unless we make healthy food options like fresh fruits and vegetables affordable for everyone and increase the price of unhealthy processed foods, the situation is unlikely to change."

[ たとえば、体に良い新鮮なフルーツや野菜が、誰にでも手頃な値段で買えるようにし、逆に、体に良くない加工食品の価格をもっと上げるようなことをしないと、この状況が変わることはないだろう。]

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 さらに、Ezzat 教授らは、医学雑誌「Lancet」に掲載された論文で、次の点を指摘する。

・中国、米国の 2 大国が、肥満者数でも他の国から抜きん出ている。いずれも、男女合わせて約 9 千万人の肥満者を抱えている。

・ヨーロッパの国別の肥満率でみると、イギリスの女性が上から3番目、男性では10番目に肥満率が高い。

・しかし、10 年後の 2025 年になると、イギリスはヨーロッパで最も女性の肥満率が高い国 (38% ) になり、これに Ireland (37%)、Malta (34%) が続くことになると予測される。

英語圏で、所得の高い (high-income) Australia, Canada, Republic of Ireland, New Zealand, UK, US の 6 カ国で、世界の成人肥満者数の 1/5 すなわち約 1 億 1 千 8 百万人を抱える。

・一方、インドやバングラデシュなどの国では、「国民の低体重」が、依然として、極めて深刻な健康問題となっている。

 肥満は本人にとって、良いことが何も無いが、イギリスの国民保健サービスNHSにとっても、肥満の対応に、年間 60 億ポンド (約 1 兆円) の予算を余儀なくされているとか。

                               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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