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フランスのやせ薬「Mediator」:死者2,000人に達し、裁判ざたに! (BBC-Health, September 23, 2019)

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 フランスで「Servier」社のやせ薬「Mediator」が評判になり、体重・スタイルを気にする人は病院に駆け込んで、この薬を処方してもらい、飲んだ。その数、推定500万人。

 そもそも、この薬は、糖尿病患者の血糖値を下げる目的で、1976年に開発されたものだった。その後、糖尿病患者の体重を減らすことにも利用され始めると、開業医は、減量を希望する患者に「appetite-suppressant (食欲抑制剤)」として処方するようになった。

 もちろん、「Mediator」は、糖尿病患者に対してのみ、合法的に処方されるべき薬のため、開業医の、このような行為は「illegal (非合法)」に当たる。

 ところが、やせ薬「Mediator」を飲んで死亡する事件が相次いだ。2009年にフランスの市場から、この薬が全て撤去されるまでの33年間に、約2,000人が死亡したとされる。スペイン、イタリアでは2000年代初期に、「Mediator」が販売禁止になっていたのに、なぜ、フランスでもっと早く、当局が規制に踏み切らなかったのかと、批判が高まっている。

 やせ薬「Mediator」に重大な問題があることを暴露したのは、Dr Irene Frachonだった。
 Dr Frachonは、フランス人死亡者のカルテを詳細に調査した結果、「Mediator」を服用した人が「heart valve problems (心臓弁疾患)」を発症し、死亡していたことを突き止めたのだ。
 製薬メーカ「Servier」は、約2,600人の原告団から「manslaughter and deceit (過失致死罪及び虚偽罪)」で提訴され、現在公判中だ。死亡リスクを知っていながら、患者を欺し続け、多くの人を死に追いやった罪が問われている。
 なお、国の医薬品規制当局も、製薬メーカに甘く、数千人の死者が出ているにもかかわらず、何ら、医療事故防止に向けた有効な手立てを講じなかったとして、訴えられている。

 この事件は、フランスにおける医薬品規制当局、医療関係者、製薬メーカが関与した一大スキャンダルに発展した。
 今後、やせ薬「Mediator」に関する大規模臨床試験が実施され、Servier社の主張の真偽が検証される予定だ。

おわりに:Servier社は、やせ薬「Mediator」の製造販売で、少なくとも€1bn (約1,200億円)の収益を上げたとされる。しかし、この薬を求められるままに、患者に対して不法に処方した医者 (薬局などの医療関係者を含む)も、相当の利益を上げたはずだ。
 毒ガスを製造した者は悪人だ。しかし、これを使った悪人は、もっとひどい悪人だ。

                                                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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