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超新星1987A爆発で生まれた中性子星:産衣をまとって発見される! (BBC-Science & Environment, November 19, 2019)

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 地球から約16.8万光年離れた「大マゼラン雲 (Large Magellanic Cloud」の中の「超新星1987A (Supernova 1987A)」。それが、今から 32年前の1987年、突如として「超新星爆発 (supernova explosion)」を起こした。それは、過去400年間で最大級の爆発だった。

 この爆発で、膨大な「neutrino (ニュートリノ)」が放出される。また爆発のエネルギーは、太陽が 45億年間で放出した全エネルギーの1,000倍に匹敵し、これをわずか10秒で宇宙に放出したと言うから、想像を絶する規模の大爆発だった。

 これまでの理論では、超新星が爆発すると、新たに「中性子星 (neutron star)」が誕生する。ところが、天文学者が、この 30年余り、どんなにその姿を宇宙に求めても、それらしき天体は発見できなかった。

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 しかし、ついに Cardiff大学の Haley Gomez教授らの研究グループが、その赤ちゃん「中性子星」を見つけた。それは、ぶ厚い「dust clouds (塵雲)」の産衣(うぶぎ)に包まれて、うっすらと赤く輝く「blob (靄(もや)」の中にあった。中性子星の直径は数十km、塵雲の広がりは、太陽系のおよそ30倍。
 それは、まるで、「celestial jewllery (天空の宝石)」。その周りを、真珠の首飾りのようなガス・塵(チリ)の輪が囲む。(研究内容の詳細は「The Astrophysical Journal」に発表。)

 その中性子星を隠している「dust shroud (塵のとばり)」も、今後、徐々に薄れて、50-100年後も経てば、その靄(もや)がすっかり晴れて、中性子星の「true guise (真の姿)」が現われるものと、研究者は見ている。

 中性子星の「産衣(うぶぎ)」ような「dust clouds (塵雲)」は、中性子星の熱エネルギーを受けて、「sub-millimetre wavelengths (サブミリ波)」の光を発し、ぼんやりと輝いている。

 超新星爆発は、途方もないエネルギーを放出して、宇宙の静寂をかき乱しもするが、その後、新たな中性子星を誕生させる。小さいながらも、中性子が高密度に詰まったその天体は、強力な重力によって、周囲のガス雲 (gas clouds)を引き込んで巨大な恒星を作り上げて行く。
 また、爆発によって宇宙に散った「dust (塵)」、「heavier elements (重元素)」は、やがて互いに集合・合体を繰り返しながら、「rocky planets (岩石惑星)」を形成する。
 まさに、一つの星の終焉は、新たな星の誕生につながって、宇宙では不死鳥のごとく、死と再生の輪廻が成立している。
                                                           (写真は添付のBBC Newsから引用)

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