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風邪薬・医者任せでは危険:咳・痰・喉の腫れは体の防衛システム!(その2) (RTE-News, October 10, 2019)

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 人間の体の呼吸システムには、さまざまな防衛ゲートが設けられている。それが防衛反応として働き、細菌・ウイルスの侵入をくい止めている。次に、順を追って見てみよう。

1.クシャミ (sneeze)
鼻腔内の粘膜が微細な異物や冷気を感じると、反射的にこれを排出しようとする。

2.鼻水 (snot)
 鼻水 (snot)は鼻腔・副鼻腔 (sinuses)から分泌される「粘液 (mucus)」だ。鼻腔が「infecting agents (感染性病原体)」を感知すると、これを粘液に取り込んで洗い出してしまおうと、多量の鼻水が分泌される。

3.喉の痛み(soreness)
 喉が赤く腫れて、ヒリヒリするのは、「鼻水」の防衛ゲートが破られて「infecting pathogens (感染性病原体)」の侵入を許し、喉に炎症を起こした証拠。このとき、免疫システムが働いて、炎症箇所の血液の流れを増やし、侵入した病原体と戦う白血球をドンドン送り込む。この結果、血管が拡張して赤く見える。
 また、ウイルスが侵入すると、これを破壊するために、免疫システムが炎症組織の温度を高めているせいでもある。このウイルス撲滅法は、脊椎動物 (vertebrates)が数億年前に獲得した裏技だ。 

4.咳・痰 (coughing and phlegm)
 喉(のど)の防衛ゲートを破った「infecting agents (感染性病原体)」が、気管 (trachea)に侵入しても気管上部で分泌されるネバネバの「mucus (粘液)」に捕まり、咳 (coughing)、痰 (phlegm)とともに体外に吐き出されるか、飲み込まれる。
 このとき、気管内壁の「繊毛 (cilia)」が下から上にとリズミカルに動いて粘液の排出を助ける。これが「mucociliary escalator (粘膜毛様体クリアランス)」だ。

 咳(せき)は、気管内壁の神経細胞が異物を感知し、これを取り除いて気管を清浄に保つための反射的な動作だ。
 しかし、咳は「infection (感染症)」が治っても、しばらく、しつこいほどに続いて、なかなか抜けないことがある。これは、これは感染症によって気管が腫れてしまい、過敏 (overly sensitive)になっているためだ。ただし、ほとんどの咳は「harmless (問題なし)」。体の免疫力が感染症を打ち負かすにつれて、直(じき)に治まる。

5.その他の症状 (気管支炎、喉頭ガンの発症)
 鼻水、喉の腫れ、咳・痰の防衛ゲートが全て破られると、感染性病原体 (ウイルス)が気管支 (bronchi)や肺 (lungs)に侵入し、それぞれ気管支炎 (bronchitis)、肺炎(pneumonia)を引き起こす
 「persistent sore throat (喉の痛みがなかなかとれない)」、「worsening of symptoms (症状が悪化する」、さらに、喫煙が加わると「laryngeal cancer (喉頭ガン)」の疑いもある。喉の痛みと同様、咳が数ヶ月も続いて発熱があるような場合は、専門医の診断を受けた方が良い。

 なお、気管の繊毛は、昼夜に拘わらず24時間リズミカルに動いている。人は睡眠中、ベッド・枕に付着した「dead skin (死滅した皮膚)」、「particulates (微細な埃塵)」「dust mite faeces (イエダニの糞)」を吸い込んでいるが、気管の粘液はこれを捕まえて、喉の奥に押し上げる。その後は飲み込んでいる。「bon appetit. (ボナペティ)」

                                                              (写真は添付のRTE Newsから引用)

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