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ぜん息の原因の一つが分かった:気道壁に脂肪がついて発症! (BBC-Health, October 18, 2019)

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 ぜん息 (asthma)の原因の一つが明らかになった。
 地下に井戸を掘って温泉をくみ上げている温泉施設では、その井戸のパイプを長年使用していると、お湯の出が悪くなる。お湯に含まれる溶存成分が、パイプの内壁に厚くスケール (scale)として沈着し、流れの通路を狭くするからだ。
 これと同じようなことが、人間の気道 (airway)でも起こっていた。

 ぜん息は、気道 (airway)とくに気管支 (bronchi)に「慢性的な炎症 (chronic inflammations)」を起こしている疾患。気道が狭く、敏感になって咳・痰が出るため、息苦しい症状が続く。
 
 呼吸器科の診察では、呼気NO (一酸化窒素)検査を行なって、数値が約40ppb以上の患者に対して、「ぜん息」を宣告し、処方薬の他に吸入器治療を勧める。
 しかし、実は、ぜん息の原因については、よく分かっていないのだ。

 ところが、Western Australia大学の Dr Peter Nobleらの研究グループは、ぜん息の発症原因の一つが「肥満 (obesity)」にあることを突き止めた。(研究結果の詳細は、医学雑誌「The European Respiratory Journal」に発表。)

 Dr Nobleらは、研究協力者52人の「post-mortem samples (死後細胞サンプル)」を含む約1,400ヶの肺・気道組織サンプルについて、顕微鏡観察を行なった。すると、過体重(over weight)、肥満 (obese)の人は、気道の内壁に「adipose tissue (脂肪組織)」がスケールのように蓄積し、これが原因で肺に炎症を起しやすくなり、結果的にぜん息のリスクを高めていることが分かった。

 それでは、体重を減らすと。気道の脂肪がとれて、ぜん息の病根を絶ち切ることができるか。それについては、今後さらに研究を進める必要があるとのこと。

おわりに:体重を減らすだけで、ぜん息が直ちに治るとは信じがたい。しかし、病気の根本原因を探ろうとする Dr Nobleらの研究姿勢・努力は、尊敬に値するものだ。

 それにしても、かっての医者は、気管支炎と診断すると、即、抗生物質を処方した。昨今は、それはなくなったようだ。
 しかし、変わって、病院は一層忙しくなり、医者・職員の心がトゲトゲしくなった。『文句があるなら、嫌なら、よその病院へ行ってくれ』。これが「決めぜりふ(signature phrases)」。医療現場の仕事が嫌になっているのか、それとも社会的に優位な立場にあると勘違いしているのか、呼吸機能検査などでは、患者をどやしてはばからない。
 数え切れないほどの、深刻な医療ミスを隠蔽する温床が、できあがっている。
                                                                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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