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「お楽しみ」をあげるわ!:不謹慎極まるフレーズと、広告禁止に (BBC-News, February 7, 2018)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/A5DC/production/_99906424_044560330.jpg

 英単語の「British」と「American」には、綴りが違い、意味も違うものが少なくない。
北米では「a treat」が「a sweet (お菓子)」の意味。だから、お菓子の商品の袋に「Serve up a treat.」と印刷したところで、北米大陸では何ら問題なし。「お菓子をあげる」となるからだ。

 しかし、これを「British informal (イギリス流の砕けた言い方)」に捉えるなら、『「a treat (お楽しみ)」をあげるわ!』と意味深長。このフレーズが、女性の素足の写真と一緒に使われると、ことと次第によっては、当局の規制を受けることになる。

 騒動となったのは、お菓子メーカー「Tunnock」社の「a treat (お楽しみ)」ポスターだ。
 事の発端は昨年の11月に、スコットランドのGlasgow (グラスゴー) で開催されたチャリィ・テニス試合に時を合わせて、その試合会場「The SSE Hydro Arena」の真向かいに「ラケットを右手に持って、まさに「serve (サーブ)」に入ろうとする女性テニスプレイヤー」のポスターが張られたこと。ただし、左手には丸いお菓子が握られている。そして、その左側には「Serve up a treat」のお菓子の宣伝文句。

 このポスターを見た市民の 1人が当局に対し、「sexist and objectified women (性差別的で女性を物として扱っている)」と訴え出た。
 「The Advertising Standard Authority (英国広告基準局)」は、この訴えを取り上げ、次のような判断を下した。

"The regulator noted that the ad showed the woman's bare thigh exposed and her underwear clearly visible, and while it was placed opposite an arena hoisting a tennis match, it bore no relevance to the advertised product."

[ 当局が指摘した点は、ポスターでは女性が太ももを露わにし、下着まではっきり見えること。しかも、商品とは何の関係もないのに(テニスプレイヤーを起用し)、テニス会場となった「競技場 (arene)」の真向かいに、そのポスターを張り出したこと。]

人の注意を引くために「女性の太もも」を使い、そこに「Serve up a treat」のフレーズを添えるなど、とんでもないことだ。社会的に無責任で、消費者によっては、強い不快感を覚えかねない。

 そこで、Tunnock社は反論をした。

"The Uddingston-based company said that the placement of the product was a substitute to the normal placement of the tennis balls, adding that they did not intend to offend anyone."

[ 本社を Uddingstonに置くTunnock 側は説明した。ポスターでは、普通に構える姿勢のテニスボールの位置に商品を置いただけで、誰かを意図的に不快にしようとしたものではない。]

 この申し入れは、当局に聞き入れられず、結局、ポスターの掲示は禁止となった。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com