ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

鼻の美容整形に新技術:5分で「思うがまま」の形に! (BBC-News, April 2, 2019)

Woman having her nose examined

 ジッと鏡を見つめては、ため息。自分の容相に満足している人は少ない。ああ、目がもっと大きかったら、眉毛がもっと厚かったら、そして鼻がもっと高かったらなどと、クヨクヨと悩み、心を痛めるのは、人間の性(さが)か。
 そんな人 (とくに女性) の心のスキにつけ込んで、医学的には必要もないのに「二重まぶた」の手術や「鼻の整形」手術を手がけて、大儲けする悪徳医者が、世に、はばかる。

 しかし、鼻の美容整形などは、肉を切り、鼻を加工する大手術。まかり間違えると死亡することもある。まさに命がけだ。

 ところが、California大学の Dr Michael Hillらの研究グループは、タンパク質「コラーゲン繊維」でできた耳、鼻などの「軟骨 (cartilage)」を、5分で自由に整形できたと「The American Chemical Society meeting」にて発表した。
 この技術は「Elecromechanical reshaping (エレクトロメカニカル整形 EMR)」と呼ばれ、整形を必要とする軟骨に小さな針を刺し込んで電流を流し、軟骨組織を粘土のように柔らかにした後、望み通りに形を整えて、電流を止める。すると、軟骨は、そのままの形を留めるという。その間、5分。

 「局部麻酔 (local anaesthetic)」は必要だが、血は一滴も出ないし、傷跡も残らない。まさに夢のような医術(?)だ。しかし、残念なことに、Dr Hillらが成功したのは、ウサギの耳。まだ、人間の鼻を高くする実験は実施されていない。

 Dr Hillらは、この整形技術EMRを、鼻の形が関与する「tight tendors (線維筋痛)」や「vision problems (視覚障害)」の治療に役立てたい考えだ。そうは言っても、人間を対象とした臨床実験に成功すれば、鼻の美容整形を切望する人がこぞってEMRに殺到するのは目に見えている。

 Swansea大学のIain Whitaker教授によると、このEMRは、確かにこれまでの整形手術に付きまとう「invasiveness (侵襲性)」を軽減する方法ではあるが、実施に当たっては、倫理上および安全上の問題や「regulatory approval (規制当局の承認)」をクリアする必要がある。また、EMR施術に当たって、軟骨組織に打たれるPH (酸性度)調整注射の副作用も明確ではない。
 第一、鼻と言っても、その約1/3は骨だ。軟骨の形を変えることができたとしても、鼻の先をいじるだけになる。それに「美容目的 (cosmetic reasons」となると、保険が効かないため、整形費用はおよそ£4,500 (約66万円)。

 なお、医学上の「鼻の形成手術 (rhinoplasty)」は「general anaesthetic (全身麻酔)」を掛けた上で、鼻の骨と軟骨に手を加えるもので、術後には次のような後遺症が現われることもある。

・permanent breathing difficulty:持続性の呼吸困難
・damage to the cartilage wall between your nostrils:鼻孔内壁の損傷
・an altered sense of smell:臭覚が変わる
・heavy nosebleeds:鼻血がひどくなる

 さらに、どんな手術にも、避けられない「invasiveness (侵襲性)」リスクとして

・excessive bleeding:多量の出血
・developing a blood clot in a vein:血管内に血栓が発生
・infection:感染症
・an allergic reaction to the anaesthetic:麻酔に対するアレルギー反応

むすび:今のところ、安全に、鼻を高くするには、神様に願うしか、なさそうだ。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com