ガン幹細胞に兵糧攻め:ガンが欲しくてたまらない栄養原を絶て! (BBC-Health, February 7, 2018)
ガン (cancers) が欲しくてたまらないものがある。それがないと生きてゆけないほど「薬物中毒 (chemical addiction)」に陥っている。
その1つがまた見つかった。その名は「asparagine (アスパラギン)」。アミノ酸(amino acid)の1種で、タンパク質の構成要素でもあり、アスパラガス (asparagus)、鶏肉 (poultry)、海産物 (seafood)などに含まれている。
Cambridge大学のガン研究機関「The Cancer Research UK Cambridge Institute」のGreg Hannon 教授らの研究グループは、侵攻型乳ガンのマウスに、アスパラギンの少ないエサあるいはアスパラギンを阻害する薬剤を与え続けたところ、乳ガンの幹細胞が分裂して増殖できなくなり、もがき苦しむ (struggle) ことを発見した。
ただし、研究は動物実験に留まり、今後さらに臨床実験で確認する必要があるという。
マウスを使った動物実験では、昨年の4月にも、Glasgow大学の研究チームが、アミノ酸「serine(セリン)」、「glycine (グリシン)」を絶つと、「lymphoma (リンパ腫)」、「intestinal cancers (結腸直腸ガン)」の進行が止まることを発見している。
"An initial tumour is rarely deadly. It is when the cancer spreads throughout the body - or metastasises - that it can become fatal."
[ 初期ガンが命取りになることはめったにない。しかし、そのガンが転移し、体中に広がってしまうと、致命的になる。]
ところが、ガン幹細胞が分裂し、増殖するためには「asparagine (アスパラギン)」などの特殊なアミノ酸がなくてはならないと考えられている。
注意すべきことは、アスパラガスが、乳ガン腫瘍細胞も大好きな、あるいはこれなしでは仲間を増やすことなどできない「dietary nutrient (栄養源)」であるからと言って、アスパラギンを含有するアスパラガス、魚介類、鶏肉、豆類などの全てが人体に危険と決めつけるのは、時期尚早。
ガンの発症・増殖メカニズムには、まだまだ知らないことがたくさんあるからだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)