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雲雀(ひばり)とフクロウの睡眠パターンは遺伝する:あなたの先祖はどっち? (BBC-Science & Environment, July 12, 2017)

https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/11416/production/_96887607_c0223079-hadzabe_tribe_tanzania-spl.jpg

[ これまでの研究によると、体内時計、すなわち人の「概日リズム (circadian rhythm) のおよそ 40%から 70%は、親から遺伝的に受け継いだもの。残りのパーセントは、生活環境の影響を受けたものだ。しかし、興味深いことに、年齢によっても、そのリズムは変わってくる。]
[ 人は若ければフクロウ型になりやすい。このため、明け方に目を覚ますというよりは、むしろ、体の動きが最高潮に活発になるのは午後からだ。逆に、年をとると、雲雀(ヒバリ)型になりやすくなる。]

"Past research has shown that about 40% - 70% of a person's circadian rhythm, or body clock, is genetic. The rest is influenced by environment and, interestingly, age."
"When you are younger, you're much more owlish, so you're much more inclined to have your peak activity later in the day than to be up earlier in the morning. When you're older, you're much more larkish."

この「睡眠パターン (sleep patterns)」が年齢とともに変化する現象は「grandmother hypothesis (おばあゃん仮説)」と呼ばれ、「evolutionary advantage (人類が進化の過程で獲得した利点)」の一つであった。
 すなわち、睡眠パターンが年齢層で違うために、若ものが疲れて眠っている間に、年配の人が目を覚まし、どちらも一緒に眠ることがなくなる。これは、人類が「wild beats(野獣)」の中で生き抜くためには欠かせない「sleeping habits (集団睡眠習性)」であった。

群れをつくって生息するミーアキャット (meerkats) も、必ず見張りを立てることで知られ、これは「見張り仮説 (sentinel hypothesis)」と呼ばれている。
 また、中央アフリカ東部の国タンザニアは、キリマンジェロ・コーヒーの産地として有名だが、その北部に広がる「Lake Eyas (エヤシ湖)」の近くには、「Hadza people (ハッツァ民族)」の集落があり、今でも「hunter gatherers (狩猟採集)」生活を続けている。その生活スタイルは、数千年の間、ほとんど変わることがなかったと言われる。

 カナダ Toronto 大学の Dr David Sampson らの研究グループは、30人ほどが一つのキャンプで集団生活を送る Hadza 民族の睡眠パターンを調査した。
 すると、観察時間約 200h の間で、わずか 18分を除くと、夜昼問わず、誰かが必ず目を覚まして警戒に当たっていることが分かった。一つのキャンプで平均 8人の成人が夜通し見張りに立って寝ずの番をしたという。

 なお、研究結果の詳細は、科学雑誌「Proceedings of the Royal Society of London B」に発表された。
              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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