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南極大陸の棚氷ラーセンC:ついに、巨大な氷山が分離・誕生 (BBC-Science & Environment, July 12, 2017)

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 南極大陸西端に突き出た南極半島 (Antarctic Peninsula) の東側に、棚氷ラーセン C が広がる。この棚氷に深い亀裂が走り、氷山分離 (ice caving) が迫っていると気づいたのは 2017年の年が上げた 1 月始めのこと。それから、まもなくして南極は冬に入った。

 ところが、7 月 12日 (水)、NASA の観測衛星「Aqua」に搭載された赤外腺カメラは、その棚氷の一部が、南極大陸から完全に分離し、厚さ 200mを越える「板状の氷山(tabular iceberg)」となって海に浮かんでいる姿を捉えた。その後、ヨーロッパ宇宙機ESA の観測衛星「Sentinel-1」のレーダーも氷山分離を確認。

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 巨大な氷山の面積は、鳥取県佐賀県を合わせた広さに相当する約 6,000 km2。
 これまでの氷山で最大級のものと言えば、US の南極砕氷船が 1956年に遭遇した、面積 32,000 km2 の超大型氷山 (super-berg)。これは Belgium の国土よりも大きい。ただし、当時は、観測衛星が打ち上げられていなかったため、これを追跡調査することはできなかった。
 さらに 1986年には、棚氷ラーセンCから、およそ 9,000 km2の塊が分離して海上に浮かんだことも観測されている。
 なお、その棚氷ラーセンCには、小さな「クラック (cracks)」が平行して何本も走る「Joerg suture zone (ジョージ縫合地帯)」も存在する。

 今回の氷山分離が切っ掛けとなり、棚氷ラーセン C にさらに亀裂が走り、棚氷全体が不安定になるのかどうかは、現在のところ、確かではない。大方の「glaciologists (氷河学者)」は、差し迫った危険はなさそうだと見ている。

「University Centre in Svalbard, UNIS」の研究チームは、割れ目の動きを直接調査して、今後の棚氷の安定性を見極めたい考えだ。

              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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