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だれかれ構わず「喜ばせたい」:人に嫌われたくない気質は危険!(RTE-News, Aug 6, 2023)

Relationship Therapy with Rachel Cooke - People Pleasing

 それは 「八方美人」に近い。ただし、セラピスト Ms Rachel Cookeによると、「people pleasers (喜ばせたがりや)」とは、常に自分のことを犠牲にし、相手の言い分を聞いてあげて、過剰なまでに人を喜ばせたいと思う人のことだ。

 その具体的な行動の特徴は

 

・going to great length  to avoid conflict

・being overly preoccupied with what others think of you

・having a deep fear of being seen as selfish

・having poor boundaries 

・finding it to say no

・looking to others for validation

・being afraid to let people down

 

・人との争いを避けるためなら、なんでもやる

・人にどう思われているのかが、気になってしかたがない

・わがままと思われることを極端にこわがる

・人との距離感 (プライベート境界) がつかめない

・なかなかイヤといえない

・人に確認を求める( [ねえ、そうでしょう] の連発)

・人をがっかりさせるのがこわい

 

 ところで、肝心なこと (the heart of issues)は、人との争いを避けて、とにかく人を喜ばせるためには自己犠牲をいとわない、この気質がいつ頃から始まったかだ。

 多くのばあい、「people pleasing」の原因は

 

・upbringing:生い立ち(環境)

・how they were treated as a child:親の育て方

 

にある。子どもはだれでも、(ほとんど本能的に、)「caregivers (育ての親)」を喜ばせたいと願うもの。しかし、不幸にも、そんな子どもに対して親が

 

・hard to please:なかなか喜んでくれない

・critical:厳格で

・overly reactive:過剰反応し

・distracted:注意散漫で

・abusive:虐待

 

を繰り返すことがある。そんな親でも、子どもは親の愛を得ようと、過剰なまでに献身的になる。

 実際、自分をないがしろにしてまで、人を喜ばせようとする本人の心は、常に不安でいっぱいで、その上、他人から

 

・excluded:疎外され

・ostracised:のけものにされ

・rejected:相手にされない

のではと、ビクビクしているのだ。

 

 さらに、社会的なジェンダー差別が「people pleasing」の一因となって、 その不安をあおる。すなわち、社会一般には

 

" Women are ‘much more socialised to be accommodating, to be nice, to not be angry’ whereas men are socialised to be more ‘individualistic and take what they want and what they need’.”

[ 女性は、良い子で、怒らない性格が理想とされ、男性は個性的で、欲しいもの、必要なものを手に入れる男に育てられる。]

 

また、これを良しとする風潮がある。ところが「people pleasers」にとって、人間関係 (relationships)、友人との交際 (friendships)となると、なかなかうまくいかず、その多くは「self-pleasers (自分だけを喜ばせる)」ことで終わってしまいかねない。

 

” Usually we will seek out that familiar pattern, and so, have poor boundaries around people who are more likely to take from us, which also reinforces that sort of low self-esteem and insecurity that we don’t deserve reciprocal caring relationships.”

 [ 一般に、セラピストは、そんな よくあるパターンを探すものだが、思いもかけない人に、プライベートな境界がうまくとれない事例を見出すことがある。相手と自分とのプライベート領域を認識できないと、自尊心をますますおとしめ、不安が増すことにつながる。その結果、セラピストと本人との互恵関係が崩れてしまう。

 以上の点に関して、見に覚えのある人は、自分の問題行動をかえりみること。そして、健全な社会交流を築き上げるために

 

・where you need to to set your limits (自分の境界をどこにおけば良いか) 

・who you need to set boundaries with (プライベート境界が必要な人はだれか)

 

を十分に認識することだ。スタートはそこからだ。

 

おわりに:お金をもらって、人を喜ばせる「芸人 (entertainers)」と「people pleasers (喜ばせたがりや)」との区別がわかりにくい。どちらも、サービス精神にあふれることに変わりはないが、ときに、どちらも、人の心の中に、土足でズカズカと踏み込んでくることには閉口する。

                 (写真は添付のRTE-Newsから引用) 

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