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朝食を抜くと免疫力がガタ落ち:感染症、心臓疾患、ガンのリスク増 (RTE-News, Feb 28, 2023)

A new study could lead to a better understanding of how chronic fasting may affect the body in the long term.

 朝食を抜くと、人間のからだはどうなるか。

 「Icahn School of Medicine at Mount Sinai( マウントン・サイナイ医科大学)」「The Cardovascular Research Institute (心血管疾患研究所)」の Dr Filip Swirskiらの研究グループは、マウスを使った動物実験に基づく「mechanistic study (反応機能研究)」によって、朝食を抜くと、からだの免疫システムが極度に低下することをつきとめた。(詳細は医学雑誌「Immunity」に発表。)

 

 それによると、朝にエサを与えたマウスのグループと与えないマウスのグループから4時間おきに採血し、免疫力を担う白血球の一種「monocytes (単球)」ならびにその免疫細胞と脳神経との関わりについて詳しく調べた。

 

 この「monocytes (単球)」は「bone marrow (骨髄)」でつくられ、血液とともに体中を循環して

 

・infections:感染症

・heart diseases:心臓疾患

・cancers:ガン

 

から人間を守ってくれる大切な免疫細胞だ。

 ところが、マススが目を覚ましても朝食を与えないと、その4時間後、免疫細胞「monocytes (単球)」の90%がなくなっていた。それから 4時間経過した時点で再度、免疫細胞を調べると、そのほとんどが消えていた。

 もちろん、朝、エサを与えたマウスには、免疫力 (免疫細胞)の変化が認められなかった。

 

 さらに、朝食抜きのマウスでは、奇妙な現象が確認された。

 絶食 (fasting)によって脳が空腹と感じると、血液中の免疫細胞「monocytes (単球)」を骨髄に呼び戻し、「hibernation (冬眠状態)」に眠らせてしまう。すると骨髄の細胞分裂の活動が鈍化する。

 けれども、マウスを絶食させてから 24時間後に、エサを与えると、骨髄で眠っていた免疫細胞「monocytes (単球)」が目を覚まして、血液中に流れ出す。

 

 しかし、残念なことに、一度、骨髄に戻った免疫細胞は、その力を失っていた。

炎症性 (inflammation)が格段に上がって、感染症 (infections)に対するからだの抵抗力を保てなくなっていたのだ。

 どうやら、朝食を抜いたり、短期、長期にかかわらず絶食 (fasting)すると、脳のストレス反応 (stress responses)が働いて、血液中の免疫細胞が骨髄に呼び戻され、眠りにつく。その後、何かを食べると、眠っていた免疫細胞は、目を覚まして動き始めるものの、その免疫力はかなり低下してしまうようだ。

 

おわりに:誰かが「絶食がからだに良い」という。しかし、これを鵜呑みにしてはいけない。「からだに良い」とする根拠は何か。その結果は権威ある複数の医学雑誌に報告されたものであるか、さらに、自分にとって十分に納得できるものであるかなどを確認する必要がある。なぜなら、判断を間違えると、簡単に健康を崩すが、一度病気になった身体を、もとの健康な状態にするのには、大変な時間と努力が必要になるからだ。自分の大切なからだだ。科学的根拠のないうわさや最先端の医療知識・技術を持たず、かつ誠意もない医者に、医療判断を全面的に任せてはいけない。

    (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie