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メンソール・タバコの販売禁止:黒人の暴動を激化させるだって? (BBC-Science, April 29, 2021)

Man smokes menthol cigarette

 「タバコを吸ったって、死ぬわけではなし」と、いくらがんばっても、「タバコが体に毒か、毒でないか」については、すでに決着がついている。ガン、心臓病、重篤な呼吸器系疾患を発症し、死を早めるのは疑いのない事実だ。

 

 公衆衛生・公民権団体が、声高に「「タバコは毒、それも一度吸ったら止められない中毒になる毒」と叫んでも、そのタバコを製造・販売し、巨額の利益を上げているタバコメーカーは、社会の批判を聞こうともしない。

 

 逆に、メーカーは「culturally tailored advertising (民族文化に特化したコマーシャル)」、「local event sponsorships (地方で開催されるイベントの助成)」、「free sanples (各種集会場で無料サンプルをバラまく)」などの、あの手この手の巧妙な手口を使い、これでもか、これでもかと「タバコの普及」に力を入れる始末。

 

 それに加えて、Obama, Trump政権時代、当局の喫煙政策・規制は「のらりくらり (fits and starts)」の連続だった。

 

 確かに2009年、US議会は「flavoured cigarette s(フレーバー・タバコ)」を販売禁止にした。しかし、このとき、なぜか「menthol cigarettes (メンソール・タバコ)」は、規制の対象から逃れるのだ。

 「メンソール」は、単に、「harshness (タバコの煙の危険性)」、「throat irritation (喉の炎症性)」をごまかすために使用しているに過ぎない。それを「すっきり」、「爽やか」、「清涼感」などと「とりつくろう」のは、悪質だ。

 

 とくに、タバコメーカーの「カモ (patsy)」になっているのは、「医療格差 (health disparities」の著しい「African Americans (アフリカ系アメリカ人)」と「low-income urban youth (地方に住む低所得の若もの)」。

 今や、メンソール・タバコの売上の約 85%を、「black people (黒人)」が占める。A 'No Smoking' sign is seen outside of a business on Wilshire Boulevard on May 10, 2019 in Beverly Hills, California

 Biden administration (バイデン政権)になって、ようやくFDA (アメリカ食品・医療品局)が、この「menthol cigarettes」の販売規制に動き出した。

 

 ところが、黒人の政治指導者 Mr Al Sharptonらのグループは、この動きに反対する。黒人に人気のあるメンソール・タバコを販売禁止にするなんて、黒人に対する「discriminatory (差別)」だと言うのだ。

 

 さらに、1920年代の禁酒法を意識してのことだろうか。タバコの販売を規制すると、闇取引が横行し、黒人と警察との衝突が一層激しくなるというのが、その理由だ。

 

おわりに:「まっとうな人間」が麻薬 (違法薬物)やタバコに手を染めてはならない。どう見ても、それは正当化されない。しかし、その製造・販売を禁止し、取締りを強化すると、犯罪が増えるとは、どのような社会なのだろう。理解に苦しむ。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com