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石炭・生木の販売禁止:PM2.5 の大気汚染防止を急ぐEngland! (BBC-Science, May 1, 2021)

A log being put into a wood burning stove

 Englandは環境法を改正し、ストーブや暖炉で石炭・生木 (wet wood)を焚くことは禁止にする。もちろん、その販売も禁止。

 Englandでは1956年に「The Clean Air Act (大気浄化法)」が制定され、大気汚染は随分と改善された、しかし、近年、薪(まき)が燃焼する際に発生する「微小粒子状物質PM2.5」が急速に増加し、呼吸器系に与える悪影響が社会問題になってきた。

 

 現在、暖房用のストーブ・暖炉に薪(まき)を焚いている家庭は、England全家庭の約 8%に過ぎない。けれども、そのたった8%の家庭の煙突から大気中に放出される PM2.5 は、「道路交通 (road traffic)」から発生する量の約3倍。

 

 PM2.5を体に吸い込むと、血液中に取り込まれ、その後、肺やその他の臓器に沈着する。WHOは、このPM2.5を、健康上最も危険な汚染物質と指摘する。

 

 とくに湿った薪(まき)を焚くと、大量の煙とスス (soot)が発生し、煙突の壁面には、タールとススが付着して、煙突の劣化を早める。

 なお、すでに、ストーブ・暖炉を据えつけた家庭については、水分 20%以下に乾燥させた薪(まき)か固形ペレットだけの使用が認めれる。

 

 「Asthma UK」、「The British Lung Foundation( 英国肺財団)」の大気汚染政策上級顧問を務める Ms Harriet Edwardsによると、(PM2.5による)大気汚染は、ぜん息 (asthma)や慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary diseas, COPD)の患者にとって、極めて有害な汚染物質 (incredibly harmful pollutant)。

 このような呼吸器系疾患の人は、ときに、ぜん息の発作を招き、命を落としかねないリスクに晒される。

 

 また、The UK Committee on the Medical Effects of Air Pollution (大気汚染の医学的影響に関する委員会)」メンバーの Jonathan Grigg教授は、「薪の燃焼で発生する PM2.5を防止できる技術がない限り、薪を焚くことは一切禁止すべきだ」と主張する。

 

おわりに:遅まきながら、Ennglandでも、高級住宅・ホテルの暖炉、ストーブで、生木や石炭を焚べることができなくなった。それでも、逃げ道が用意されている。どんな薪(まき)でも、キルンで乾燥させると、規制の対象にならない。これでは、「お金持ちのための環境法」と謗(そし)られても仕方がない。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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