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アマゾンのシャーマンの薬草汁:うつ病の神経回路をリセット! (BBC-News, March 15, 2021)

psychedelic concept pic

 今から数千年前にさかのぼる、はるか昔から、南米、それも、とくにアマゾンのシャーマンは、「rituals (儀式)」の際に「ayahuasca (アヤワスカ)」と呼ばれる薬草汁を飲んだ。これには「DMT(ジメチルトリプタミン)」成分が含まれていて、一種の「hallucinogenic drug (幻覚剤)」だった。 その効果は、てき面で、絶大。シャーマンは、すぐに「spiritual enlightenment (精神的啓発)」を体験する。

 

 この「DMT」を「うつ病 (depression)」の治療に活用するアイデアが生まれ、そのための臨床試験が始まろうとしている。

 うつ病はやっかいな精神疾患だ。抗うつ薬 (antidepressants)としてSSRISNRI, NaSSAなどの治療薬が開発されてはいるものの、どれも効かない「うつ病」も少なくない。

 

 そこで、医薬品メーカー「Small Pharma」社の Dr Carol Routledgeらの研究グループは、「Imperial College London」と共同で、DMTと「talking therapy」を組み合わせた「うつ病の新治療法」の開発を進めている。目指すのは、「効果がすぐに現われ、それが長く続く(longer-term effects) 治療法」。

 

  ところで、「DMT」は「human consciousness (人の意識)」を変えてしまう。そして、「near-death experience (臨死体験)」などのような「hallucinations (幻覚)」を見せるのだ。DMTが「spirit molecule (スピリット分子)」と呼ばれるゆえんがそこにある。

 

 Dr Routledgeによると、この幻覚剤には、もつれた脳内神経回路を解きほぐし、神経回路をリセットする働きが期待できる。今のところ、仮説にとどまるが、DMTを服用すると、「shaking a globe (スノーボールを揺すって)」、ガラス玉の中に雪を舞い上がらせるような効果が起こると考えられるという。

 

 その結果、「entrenched negative thought  patterns (慢性的なネガティブ思考パターン)」は空中に吹き飛んでしまい、機能的な脳内神経システムがリセットされるのだ。

 

おわりに:どの国も「うつ病」には、ほとほと苦労している。日本でも、その患者数は、優に100万人を超え、膨大な医療費が費やされている。優秀な精神科医による、適切な医療措置が遅れると、死に至る恐ろしい病気だ。それなのに、発症メカニズムの解明も治療法の開発も、遅れに遅れている。優秀な精神科医を探すことさえ難しい。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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