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白髪染めが不要になる日がやってくる!:白髪の謎が解明された (BBC-Health, January 22, 2020)

Woman looking at grey hairs appearing

 「クヨクヨしていると早く老ける」、「苦労の絶えない人ほど、髪の毛が真っ白」などと、巷(ちまた)で囁(ささや)かれる。

 しかし、それは本当なのか。

 Harvard大学の Ya-Cieh Hsu教授らの研究グループは、マウスを使った動物実験で、偶然にも、ストレスが白髪(しらが)の原因になることを発見した。

 マウスに常時痛みを与えて強いストレス状態に置くと、数週間で、その毛が真っ白に変わったという。そのマウスの「hair follicles (毛包)」を調べると、皮膚や毛の色素をつくり出す「melanocyte stem cells (色素幹細胞)」が極端に減少していた。

The mouse before pain was induced (top), and some time afterwards (bottom image)

 一般に、哺乳類は強いストレスを受けると、ストレスホルモンの「adrenaline (アドレナリン)」、「cortisol (コルチゾール)」の分泌が増加し、これによって心拍数と血圧が高まる。さらに、ストレスが継続すると、「nervous system (神経系)」が悪影響を受けて、「accute stress disorder (急性ストレス障害)」を引き起こす。この一連の過程で、色素幹細胞が破壊されるというのだ。

 Hsu教授らの実験では、わずか数日でマウスの毛包内の「pigment-regenerating stem cells (色素再生幹細胞)」が全て消失していた。この幹細胞は一度失うと二度と再生されることはない。つまり白くなった毛はいつまでも白い毛のままだ。

 しかし、マウスに、高血圧の治療薬「anti-hypertensives (降圧剤)」を与えると、体毛の白化を抑制できることが分かったという。

 さらに、色素幹細胞の破壊に関与しているのは、たんぱく質の一種「サイクリン依存性キナーゼCDK (cyclin-dependent kinase)」であることも突き止めた。

 ヒトの髪の毛の白髪化は老化プロセスや遺伝性によるところが大きい。しかし、降圧剤やCDK阻害剤を活用することによって、白髪の進行を遅らせる処置の可能性も出てきた。

おわりに:白髪が目立つようになった人にとって、白髪染めは大変な作業になる。その上、髪の染め剤は決して安いとは言えない価格だ。染め剤がいらなくなったら、どんなに大勢の人が喜ぶことだろうか。

                                   (写真は添付のBBC-Newsから引用)

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