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肉好き、野菜嫌い!:それは単なるわがまま、それとも親ゆずり? (BBC-Health, November 12, 2019)

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 「良薬 口に苦し」と言うが、「broccoli」、「sprout (芽チャベツ)」も苦くて食べられない。さらに、それが昂じて、野菜嫌いになった人は少なくない。
 好き嫌いの激しい、わがままな子ども、あるいは、そんな子どもが大人になっただけか、と考えていたら、そうとも限らないことが分かって来た。

 苦味を識別する味覚能力は、ヒト属(Homo)が自然界の毒物を見分ける手段として進化の過程で身に付けたもの。苦味受容体のタンパク質をコード化する味覚遺伝子(taste genes)「TAS2R38」が、2つの対立遺伝子 (2 common alleles)の配列で、親から子どもへと何世代にもわたって受け継がれてきた。

 ところが、その遺伝子には、TAS2R38-AVIとTAS2R38-PAVの「変異体 (variants)」が存在し、対立遺伝子の組合せがTAS2R38-AVIとTAS2R38-PAV、あるいは 2ヶのTAS2R38-PAVだけで構成されていることがある。

 Kentucky医科大学の Dr Jennifer Smithらの研究グループが、被験者175人の味覚遺伝子と野菜嫌いとの関係を調べた結果、この変異体の組合せ、とくにTAS2R38-PAVだけを親から譲り受けた子どもは、「broccoli」、「sprout (芽チャベツ)」など特定の野菜を、とんでもなく苦いと感じてしまうことを発見した。
 
 人類は、その遺伝子をさまざまに変えて環境変化に適応し、生き残りを図ってきた。野菜を食べなくても生きて行けるだろうが、食が偏っては、健康を維持するのが難しいはず。研究者は、調味料を使うことで、特異な遺伝子を有する人も野菜が食べられるようにならないか、研究を続けたい考えだ。

                                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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