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「薬物耐性菌」、「大腸菌」もイチコロのガラス:Aston大学が開発! (BBC-News, Mar 6, 2019)

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 人類が、今、最も必要としているものは、何か。
 それは、敵を殺戮する武器でもなければ、暇つぶしのためのゲームの開発でもないし、スポーツ人材育成と称して膨大な額の国税を強化合宿などにつぎ込むことでもない。。

 病気で苦しむ数十億人の人を救うことが大事だ。まだ、原因も治療法も確立されていない病気も少なくない。少なくとも病気の原因の究明に務め、発症メカニズムを明らかにし、その予防に力を入れないことには、この世から病人が消えることはない。

 どの国も、また、どんなに小さな町・村でさえ、病人が溢れかえり、ガン、心臓病、呼吸器系疾患、うつ病精神疾患、糖尿病、腰痛・関節痛など何らかの病気で人類のほとんどが悩まされ、膨大な医療費が家庭・国家財政に大きな負担となってのしかかる。
 人間が人間として、この世に生を受けたからには、世の中あるいは仲間 (fellows)が最も必要としていることに全力を尽くす。その仕事は、どんなに生き甲斐を感じることだろう。

 現在、世界中の病院・医療関係者を震撼させているのは、抗生物質の効かない「黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus)」などの「薬物耐性菌 (drug-resistant bacteria)」。それに、手術中の「真菌感染 (fungal infections)」も怖い。
 「The European Cntre for Disease Prevention and Control (欧州疾病予防管理センター)」によると、現代は医療が発達しているとは言え、ヨーロッパだけで「healthcare -associated infections (医療関連感染症HAI)」に罹患している患者は400万人を越え、毎年、HAIが原因で死亡する患者は約37,000人。
 病気を治療するはずの病院で、病原菌 (germs)が蔓延し、ほとんどコントロール不能の状態に陥っているのだ。

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 この問題に、立ち向かう研究者が現われた。ScotlandはEdinburghの中心にキャンパスが広がる Aston大学で「Engineering and Applied Science (工学・応用科学)」を専門とする Dr Richard Martinらの研究グループだ。

  リン酸塩ガラスに微量のコバルトCoを混ぜた「bioactive phosphate glass (生体活性リン酸塩ガラス)」の開発に成功し、このガラスには強い殺菌作用があることを突き止めた。
 Dr Martinらの生体活性ガラスは、コバルトの「耐性菌金属イオン (antimicrobial metal ions)」を放出する。「E.coil(大腸菌)」なら6時間以内で、真菌感染症の病原菌「Candida albicans (カンジダ・アルビカンス)」なら24時間で完全に死滅させることができ、薬物耐性菌の「Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌)」でさえ、24時間後には99%が死滅する。
 Dr Martinらは、この殺菌作用の強い「bioactive glass」を、ガーゼに織り込んだり、手術台・手術器具あるいはカテーテルなどに利用することで、薬剤耐性菌などの院内拡散を大幅に減らせるものと見る。
 医学的な貢献度は極めて高い研究だ。

謝辞:なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「Phys.org」の記事を参照した。記して謝意を表したい。

Phys.org: March 5, 2019
・Bacteria -killing glass offers hope in fight against hospital infections

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com