キッチンタオルは食中毒の発生源!:ブドウ球菌・大腸菌がウヨウヨ (BBC-Health, June 10, 2018)
梅雨(つゆ)どきは、カビや細菌にとって居心地のいい季節。気をつけたいのは、この時期に多い食中毒だ。しかも、案外、見落とされているのは、冷蔵庫内の食べ残しだけではない。調理台の上あるいは台所の壁に掛けられた「キッチンタオル (tea towels)」がそれだ。
Mauritius (モーリシャス)大学の Dr Susheela Biranjia-Hurdoyalらの研究グループは、100件の家庭から、キッチンで1ヶ月間使われたタオル100枚を回収して調査したところ、その内の49枚に、増殖可能なレベルの細菌が付着していた。
その主な内訳は次のとおり。
・36.7%:coliform bacteria 大腸菌群 (E. coilを含む)
・36.7%:enterococcus spp 腸球菌
・14.3%:staphylococcus aureus 黄色ブドウ球菌
なかでも、キッチンタオルで手を拭いたり、お皿を洗ったり、調理台を拭いたりと「多用途 (multiple jobs)」に使い廻しされているタオル、湿っぽいタオルあるいは頻繁に肉を調理する家庭のタオル、それに子どもの多い大家族のタオルなどに多くの細菌が見つかった。
とくに、大腸菌 (E. coil)が発見されることは、faecal contamination (糞便汚染)」や「bad hygiene practices (衛生状態不良)」の現われだ。また、黄色ブドウ球菌は、子どものいる家庭や「lower socio-economical status (社会経済的地位の低い)」家庭のキッチンタオルから発見されることが多かった。
"Staphylococcus can cause food poisoning as the bacteria multiply quickly at room temperturey to produce a toxin that causes illness. It is killed by cooking and pasterurisation."
[ (黄色)ブドウ球菌は、室温で急速に増殖し、毒性物 (enterotoxin)をつくり出しては食中毒を引き起こす。この細菌は加熱し、低温殺菌することで死滅する(が、エンテロトキシンは熱で消滅しない)。]
なお、食中毒を防ぐために、キッチンで気をつけたい点は、以下のとおり。
・皿洗い用のスポンジやキッチンタオルは定期的に新品と交換する
・紙タオル(使い捨て)も有効
・キッチンタオルを何度も使用するなら、使用後に消毒するか、60℃のお湯に浸ける
・食器洗い器のブラシも定期的に洗浄し、使用後は洗剤やお湯できれいに洗う
・調理台は常に清潔に
・まな板は魚肉用と野菜用を別々にそろえる
・魚肉の調理後は、手をよく洗う
・キッチンタオルを使用した後は、風通しの良い場所で、十分に乾燥させること
なお、この研究成果は「The American Society for Microbiology」年次総会にて発表される予定。
(写真は添付のBBC Newsから引用)