手首に巻いて消費カロリーチェック:誤差の大きいスマホ・ウオッチ (BBC-News, January 28, 2019)
手首に巻いておくだけで、歩いた歩数や運動時の消費カロリーを自動的に記録してくれる「fitness trackers(フィットネス・トラッカー)」。健康管理に便利なディバイスとして人気で、メーカー各社の販売は好調だ。
しかし、そのウェアラブル・ディバイス。本当に正しい消費カロリーの値を示しているのだろうか。
Walesの「Aberystwyth (アベリストウィス)大学」の Dr Rhys Thatcherらの研究グループは、「BBC X-ray programme」の一環として、この種の電子ディバイスの精度検査を実施した。
ボランティアにトレーニング用の「tredmills (トレッドミル)」で、10分間、歩いてもらったり、走ってもらい、そのときの最大酸素消費量の値から正確な消費カロリーを求め、市販の「fitness trackers」の測定値に比較した。
その結果は、以下のとおり。
Devices (機種) Errors (誤差)
Walking (歩行) Running (走行)
Fitbit Charge 2 - 4% +50% more
Letscom HR +15.7% -30%
Letsfit +2% -40%
つまり、現在、市場に最も多く出回っている機種「Fitbit Charge 2」は、価格も高い。しかし、この機種には、走行時の消費カロリーが50以上も過大に表示・記録される傾向があった。
調査に当たったDr Thatcherによると、「motivation tools (やる気を引き出すツール)」として、あるいは「運動実績 (progress)」を記録するために、「fitness trackers」を利用するのであれば、正確さは、さほど問題にならないという。
それはそうかも知れない。
それでも、筆者には気になることがある。メーカーの釈明 (言い訳)だ。
Fitbit社の言い分はこうだ。『我が社の製品は「extensive research (大規模な研究)に基づいて製造されたものであり、性能に関しては自信がある。』
一方、Lerscom社と Letsfit社は、そほ不正確を素直に認める。『当社のディバイスは、使用する人の背の高さや歩幅などによって値が変わることもあります。製品は医療用測定器ではなく、単なる推定値 (estimates)を示すだけです。』
さて、「devices (ディバイス)」の精度もさることながら、「信頼度 (trustworthiness)」はどちらが高いと言えるだろう。
(写真は添付のBBC Newsから引用)