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南極の氷床の下に:巨大な水がめがあった! (BBC-Science, May 7, 2022)

The team collected their measurements during a multi-week expedition

 南極西部の氷床 (West Antarctic Ice Sheet)の「Whillans Ice Stream (ウイランズ氷流)」の深部には、古代の海の土砂・泥の堆積層が存在し、それがスポンジのような役目を果たして、数千年前の膨大な海水を包蔵していることが発見された。(研究の詳細は「Science」に発表。)

 

 その海水の全てを地上に抜き出したとすれば、一帯は深さ220- 820mの海水にうずもれてしまうほどだ。最深部では全長約440mのエンパイア・ステートビルディングが縦に2本並ぶ深さとなる。

 

 発見したのは「The Scripps Institution of Oceanography (スクリプス海洋研究所)」のDr Chloe Gustafsonらの研究グループ。Dr Gustafsonらは「Ross Ice Shelf (ロス氷床)」に流れ込んでいる「Willans Ice Stream(ウイランズ氷流)」(厚さ800m、幅100km)の地下深部を、「magnetotellurics (地磁気地電流法)」によって調査した。調査は 6週間に及んだという。Mao

 南極のこの一帯は、かねてよりHelen Fricker教授らの人工衛星観測によって、「dynamic hydrological system (地下深部の水の流動)」が確認されていた場所だ。

今回発見された地下帯水層は、氷流 (ice stream)と南極大陸の基盤 (basement rock)との間に位置し、その厚さは500- 2,000mに達していた。

 

 共同研究者の Dr Tom Jordanによると、氷床の下の堆積層に閉じ込められた海水は、南極大陸基盤の熱の影響を受けて、比較的、温度が高い可能性がある。もしも、この海水が氷と岩盤との間に流れ込むようなことがあれば、氷床の氷の融解は加速されるはずだ。

 

 なお、研究グループは今後「Willans Ice Stream (ウイランズ氷流)」よりもさらに巨大な「Thwites Glacier (スウェイツ氷河)」の深部を調査したい考えだ。この氷河は、過去30年間で、その流れのスピードを倍加させている。このまま氷河が海に流れて失くなるようなことがあれば、地球の海水面が確実に上昇することになる。

 おろらく、氷河の下には海水を包蔵する帯水層が存在し、それが大陸基盤の熱を受けて、氷河の流れを推し進めている可能性がある。

 

おわりに:南極はじっとしていない。そのぶ厚い氷の下で、じわじわとうごめくものがあり、どうやら、それが海面上昇をまねきかないことがわかってきた。

 Washington大学の「The Covid excess motarity team (コロナ感染の超過死亡率調査チーム)」は世界191カ国と特定領域のデータを独自に収集し、解析を行なった。

                    (写真は添付のBBC-Newから引用)

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