私はこうして糖尿病を克服した!:それが不治の病だなんてウソ (BBC-Health, December 5, 2017)
2型糖尿病が治るなんて、誰もが想像もできなかった。
ところが、Newcastle大学の Roy Taylor教授らの研究チームが被験者 298人に対して5ヶ月間にわたって実施した臨床試験では、約半数が健康回復 (remission)した。とくに、15kg以上の減量に成功した人に限ると、その 86%が糖尿病から抜け出ることができた。
その治療法とは、徹底した「dieting (食事療法)」。
さて、Largs (ラーグス) は Scotland西部 North Ayrshire (ノース・エアシャー)の海岸に面した町。そこに在住するMs Isbel Murray (65歳) も、この研究に参加した 1人だ。当初の体重は 95kgで血糖値が高く、長年、病院に通い詰めだった。それが、料理も買い物もやめて、食事は夫と別々に摂るようにと指導される。食事は 1日 4回。小さな袋に入った粉末をお湯に溶かしただけの「Soup or shake (スープかミルク・セーキ)」。摂取カロリーはたったの200cal。ただし、栄養バランスは十分に配慮されている。この食事で体重が減ると、今度は栄養士 (dieticians) が「食べ応えのある健康食(healthy, solid meals)」に変える。5ヶ月が経過すると Ms Murray の体重は 25kgも減っていた。もちろん、血糖値も下がり、糖尿病の薬も必要ではなくなった。
"Body fat building up around the pancreas cause stress to the beta cells in the organ that controls sugar levels. They stop producing enough of the hormone insulin, and that causes blood sugar levels to rise out control."
"Dieting loses the fat, and then the pancreas works properly again."
"Uncotrolled sugar levels cause damage throughout the body, leading to organ failure, blindness and limb amputations."
[ 血糖値を調整している膵臓の周りに体脂肪が蓄積すると、膵臓のβ細胞がストレスを受ける。すると、ホルモンの一種インシュリンの分泌が妨げられるため、血糖値は制御不能になって上昇する。]
[ 食事療法で体脂肪が消えると、膵臓は再び正常に働くようになる。]
[ 血糖値が制御できなくなると、体中の細胞がダメージを受け、臓器不全、失明、手足の切断につながることもある。]
糖尿病の治療に費やしている医療費は、イギリス全体で年間約 £10bn (約1兆5千億円)に達する。この研究で「糖尿病は、10 - 15kgの減量に成功すれば、健康回復できる」ことが分かったという。
なお、研究の詳細は医学雑誌「The Lancet」に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用)