わがままで甘党の寝太郎の病気?:2型糖尿病 (BBC-Health, February 11, 2020)
誰でも健康でありたいと願うし、細菌・ウイルスなどに感染したくない。しかし、たとえ、ウイルス感染を免れたとしても、病気 (disease)にかかることがある。
その「病気 (disease)」はフランス語「desaise」に由来し、「lack of ease (不快)」の意味だ。「快」を貪(むさぼ)り過ぎると、「不快」を招く。
病魔が好んで取り憑(つ)くのは、たいてい、他人の意見に耳を傾けず、わがまま勝手で好きなことをし、好きなものだけを食べる、いわゆる不摂生な「寝太郎」タイプだ。どんなふうに生きようが、その人の勝手だが、病気の治療となると、社会全体の負担となる。
近頃、利己主義で不摂生な人が多くなったせいか、今、世界中で蔓延している病気と言えば、生活習慣病 (lifestyle-related diseases)の代表格「2型糖尿病 (type-2 diabetes)」だ。
この病気は膵臓 (pancreas)がインシュリン (insulin)を十分に分泌できなくなるか、体細胞 (body cells)がインシュリンに反応できなくなって、血糖値のコントロール不能に陥ることで発症する。
肥満、家系(遺伝性)、加齢などがリスク要因とされるが、中でも糖分の取り過ぎによる太り過ぎ (overweight)が、発症要因の80-85%を占める。
2型糖尿病は「慢性疾患 (chronic condition)」となることが多く、また、心臓病などの合併症 (complecations)を起こしがちだ。2型糖尿病を発症すると、普通の人に比べて早死 (premature death)の確率が50%も高くなる。
Scotlandでは、この10年間(2008-2018)で、2型糖尿病患者数が40%も増加し、2018年に267,615人を記録した。他に診断を受けていない、疾患予備軍の患者数は推定26,347人とされる。(ちなみに、日本の糖尿病患者数は約329万人、その治療に要する年間医療費1兆2,239億円 [2017年]。)
なぜ、こうも、糖尿病患者が増え続けるのか。
糖分の摂り過ぎ、飲酒、運動不足などが、体に良くないと分かっていても、なかなか、毎日の生活習慣を変えるのが難しいためなのか、それとも、食品メーカがジャンクフードやドリンク類の販売に躍起になっているせいなのか。
「Diabetes Scotland」の Ms Angela Mitchellは、Scotlandにおける2型糖尿病の蔓延状態は「urgent public health crisis (公衆衛生上の危機的状態)」に陥っているとし、政府と食品メーカが一体となって、この問題の解決に向けて取り組む必要があると訴える。
おわりに:国の医療費負担が急増し、健康保険制度も崩壊寸前に追い込まれている。それでも、政府も医療関係者も「病気の予防」に力を入れようとしない。医薬品メーカ・薬局だけが利益を上げる社会構造になってしまった。
(写真は添付のBBC Newsから引用)