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宇宙ゴミまで「made in China」:地球の上空はゴミだらけ! (BBC-Science, October 16, 2020)

Artwork image of space debris

 浜辺に立つと、海は広い。夜空を見上げると、宇宙はもっと広い。けれども、海が広いから、空が広いからと言って、際限なくゴミを捨てていると、そのうち、海も空もゴミ(junk)だらけになってしまう。

 

 これは「space junk (宇宙ゴミ)」の話題。現在、地球のはるか上空には、軍事、気象観測、通信・放送、測量などを目的にした人工衛星が、少なくとも4,400基は周回軌道上にある。それに加えて、大きさ1cm以上の物体つまり宇宙ゴミの数はおよそ90,000個。その数もさることながら、そのゴミの飛行速度が8,000 -29,000m/s (マッハ24-マッハ85)と、とんでもない超高速で飛び回っている。

 

 このため、ごく小さな金属の破片と言えども、それが人工衛星に衝突すると、「catastrophic (壊滅的)」なダメージを与える。しかも、その衝突でさらに無数の破片が宇宙空間に散らばることになる。

 

 さて、10月16日 (金)のことだ。「LeoLabs」が突然、警報を発した。このベンチャー企業は、人工衛星宇宙ゴミの軌道を追跡、監視している会社だ。ロシアの「Kosmos-2004」と中国の人工衛星打ち上げロケット「長征 (ChangZheng)」の残骸が、南極上空約1,000kmで25m以内に接近し、衝突のリスクがあるというのだ。

 

 そのロシアの機能停止した人工衛星と中国のロケットの残骸の 2つを合わると、重さ2.5トンを超える。それぞれ相対速度は14,660m/sだった。衝突したなら、大変な数の宇宙ゴミが発生する。幸い、衝突は避けられたという。

 

 「The European Space Agency (欧州宇宙機関)」は最近になって「The State of the Space Environmental report(宇宙環境の現状に関する年次報告書)」を発表した。

 それによると、過去20年間で、「fragmentation events (衝突破砕事故)」が 1年当たり平均 12件発生し、しかも、その事故が増加する傾向にあると指摘している。

 

 さらに「The Online International Astronautical Congress」は、「The most concerning derelict objects in orbit (最も憂慮すべき宇宙ゴミ 50」をリストアップし、その多くは、ロシアがソビエト時代に打ち上げた「Zenit 」多段ロケットの残骸だと発表している。

 

 なお、2007年に中国が、ついで2019年にインドが人工衛星をミサイルで破壊する実験に成功し、宇宙には「made in China」、「made in India」の危険な破片ゴミが多量にばらまかれた。

 

おわりに:国家間の争いと金儲けの場が宇宙にまで広がり、今や、宇宙ビジネス宇宙戦争、宇宙軍、宇宙戦略が真っ盛り。しかし、「ゴミは持ち帰りましょう」。  

 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com