再生可能エネルギー:それによって何が変わるか? (BBC-Business, October 25, 2016)
再生可能エネルギー資源 (renewable energy resources) とは、風力 (wind)、太陽光(solar)、水力 (hydro)、地熱 (geothermal) などのこと。その資源技術開発が地球温暖化対策には欠かせないとされて来た。
しかし、風力、太陽光発電のいずれも、風まかせ、お天気まかせのエネルギーシステム。発電は、どうしても断続的 (intermittent) にならざるを得ない。
それでも、「The International Energy Agency, IEA (国際エネルギー機関)」が発表した最新の報告書によると、世界の再生可能エネルギー量が、ついに石炭火力発電電力量を超えた。
昨年の2015年、1 日当たり約 50万枚の太陽光パネルが、世界のどこかで設置され、とくに、中国では、1時間に 2基のペースで風力タービンが建設された。
風力、太陽光発電が盛んになるにつれて、その建設コストは大幅に下がり、5年前には考えられなかったレベルまで達した。
水力発電量も徐々に伸びてはいるが、今後、再生可能エネルギーの 3/4 は風力と太陽光発電によって占められるようになるものと推定されている。
IEA 事務局長 (Executive Director) の Mr Fatih Birol が指摘するように、
"We are witnessing a transformation of global power markets led by renewable,"
[ 今、我々は、再生可能エネルギーがもたらした電力世界市場の転換期に立ち会っている。」
なお、IEA は、再生可能エネルギーを拡大させるための鍵が「declining cost (発電コストの低下)」と発電システムの「tax credits (税額控除)」にあると見る。アメリカは政策として、再生エネルギーの税額控除を拡大し、中国、インド、メキシコもこれに倣って経済政策の舵を切った。
ただし、たとえば電気自動車の充電が、化石燃料の発電に頼っては本末転倒。再生可能エネルギー源によって作り出されたエネルギーが、電力 (power) のみに限らず、運輸(transport)、暖房 (heating) に使用されて初めて、化石燃料や原子力エネルギーに依存する社会が変わり、地球温暖化にブレーキが掛かる。
そのとき、少なくとも自動車の仕組みも、世界のエネルギー市場、自然環境も変わっているはずだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)