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ツタンカーメン王のナイフ:隕石(メテオライト)を鍛造した傑作 (BBC-News, June 2, 2016)

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 1922年、イギリスの考古学者 (archaeologist)「Howard Carter (ハワード・カーター)」は、王家の谷でほぼ完璧な王墓 (completely intact tomb) を発見する。古代エジプト第18王朝の 11 代ファラオ (pharaoh)「Tutankhamun (ツタンカーメン王)」の棺を発掘したのだ。そのミイラ (mummy) は黄金のマスクで覆われていた。

 「ツタンカーメン (1336 BC - 1327 BCE)」は,8、9歳で父「Akhenaten (アクェンアテン)」から王位を継ぐと、わずか 17 歳でこの世を去った。その悲劇も重なってか、美しい黄金のマスクは余りにも有名だ。

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 しかし、ここに驚くべき事実が明らかになった。
  イタリアとエジプトの科学者が、非浸製型 X 線(non-invasive X-ray) 装置で、ミイラに添えられていた 2 本の短剣 (daggers) を調べたところ、その1本はなんと隕石 (meteorite)を鍛造した一級品だった。隕鉄の特徴はコバルトCoとニッケルNiの成分が多いこと。

 今から 3,300年以上も前に古代エジプト人は、すでに「優れた製鉄技術 (ironworking)」を究めていたことになる。そのツタンカーメン王の短剣 (dagger) には、黄金で飾られた柄(つか)が付けられ、黄金の鞘 (さや) に入っていた。「鞘 (sheath)」の片面には、ユリの花をあしらった文様が施され、反対側の面には「羽の文様 (feather pattern)」が装飾された芸術品だった。もちろん、短剣には「錆(さび)がついていない (unrusted iron blade )」。

 古代エジプト人は天からもたらされた「鉄の塊 (chunks of iron)」を神聖なものと考え、それを鍛造して、王家の装飾品や宗教儀式の品々を作ったとされる。

 なお、今回確認された短剣の Ni、Co の含有率は、「Alexadria (アレクサンドリア)」の西 240 kmに落下した隕石の成分に一致することも明らかになった。

"Uncertainty still surrounds Tutankhamun's death. He may have been assassinated, oar died as the result of an injury received while hunting."

[ しかし、ツタンカーメンの死には、依然として謎が残る。若き王は暗殺されたとも、また、狩りの途中で受けた怪我の傷が原因で、死んだとも言われているのだ。]

 一連の研究結果は「The Journal of Meteoritics and Planetary Science」に発表された。

                                (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com