ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

DNA突然変異を治療する:画期的な前立腺ガン治療薬 (BBC-Health, October 29, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/138B9/production/_86375008_c0231776-prostate_cancer_cell,_sem-spl.jpg

 体の細胞内のDNAには、正常に細胞が機能、増殖するようにと、情報が書き込まれた「遺伝子 (genes)」がびっしりと並んでいる。ところが、何らかの手違いで、その情報 (遺伝子) に異常が起こると、DNA全体に「突然変異 (mutation)」が発生し、コントロールの利かない「ガン増殖 (cancer growth)」が走り出す。

 すなわち、ガンの原因は、遺伝子の傷がもとになっている。この遺伝子の傷を直接、修復する臨床試験に、イギリスの「ガン研究所 (The Institute of Cancer Research)」が成功した。
 
 「前立腺ガン(prostate cancer)」がほとんど末期の状態にまで進行し、治療不可能(untreatable) と診断されていた患者49名に、新薬「オラパリブ (olaparib)」を投与したところ、被験者の88%は、その腫瘍の増殖が抑えられた。

 ガン腫瘍から染み出る「前立腺特異抗原 (Prostate Specific Antigen)」の濃度も半分以下になり、血液検査で確認される「前立腺ガン細胞 (prostate cancer cells)」の数ならびに「転移したガン腫瘍 (secondary tumours)」も激減した。
 なお、治療効果が現われたのは、治療開始から半年ないし1年半後であったという。

 新薬「オラパリブ (olaparib)」には、前立腺ガンの「DNAの突然変異」を標的にし、これを修復して正常な状態に戻す働きがあるのだ。

 この治療薬を「病院 (clinics)」で使えるようになれば、コストとの削減と「副作用(side effects)」の軽減につなげることができるという。 

 今や、ガン治療は、「遺伝子治療」、「免疫療法」の時代に入ったと言える。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com