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男の難敵「前立腺ガン」は:遺伝子標的治療で叩きつぶせ! (BBC-Health, September 30, 2019)

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 男性の8人に1人が一生の間に罹患するとされるガン。それが「prostate cancer (前立腺ガン)」だ。
 色々なタイプが知られていて、直ぐに治療の必要がなく、しばらく「careful monitoring (注意観察)」で済むものもあれば、悪性の侵攻性ガンのように、初期ステージの段階で治療しないと全身に転移し、手の施しようがなくなるタイプもある。

 さて、「The Institute of Cancer Research (英ガン研究所ICR)」のJohann de Bonoらの研究グループは、UK製薬メーカ「AstraZeneca (アルトラゼネカ社)」の抗がん剤「オラパリブ (Olaparib)」の効果を確認する臨床試験を実施した。

 この薬を、ガン腫瘍細胞のDNA遺伝子 BRCA1, BRAC2に「genetic errors (遺伝子欠陥)」があり、ガン腫瘍が増殖している患者に対して処方すると、薬はその遺伝子コードに欠陥があるガン腫瘍細胞だけを標的に攻撃し、正常な細胞には手を出さない。

 臨床試験の結果、前立腺ガンの「Hormone treatments (ホルモン療法)」で使用される「abiraterone (アビラテロン)」「enzalutamide (エンザルタミド)」に比べて、分子標的治療薬「Olaparib (オラパリブ)」は、「注意観察 (careful monitoring)」、「進行した (advanced)」ガンにかかわらず、「革新的な治療薬 (game-changer)」の働きを示すことが証明された。

 治療に先立ち、患者のガン細胞を遺伝子解析で調べ、その細胞に遺伝子欠陥が判明すれば、この「Olaparib」は、ガン腫瘍細胞だけを標的にピンポイント攻撃できる「precision medicine (精密治療)」が可能になる。
 まさに、ガン治療は、個々の患者ごとに最適な治療を施す「tailoring cancer treatment (テイラー・ガン治療)」の時代に入った。

 ただし、気になるのは、その「Olaparib」の値段だ。たった1週間分の「Olaparib」が$3,000とあっては、庶民の手に届かないのではないか。

                                                                               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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