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「心不全」治療:うつ病のカウンセリングが必要 (BBC-Health,May 23, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/660/media/images/83350000/jpg/_83350235_heartfailurec0191554-emergency_case,_hospital-spl.jpg

 「心不全」は、心臓の筋力低下あるいは硬化によって起こる病気だ。症状が悪化すると、日常の生活で、疲れやすくなったり、息切れするようになる。イギリスで心不全を煩う患者数は約90万人(日本の患者数の約1/3)。現代の疫病(modern epidemic)の一つだ。これまで種々の治療薬・治療法が試みられてきたが、いずれも期待した治療効果が上げられていない。
  そこで、John Cleland教授(Imperial College London、Hull大学を兼務)が、入院中の心不全患者96名にアンケート調査を実施した。調査項目の一つが、「うつ病の症状があるか」。

  調査結果は驚くべき事実を明らかにする。中程度または重症度のうつ病を発症していた「心不全患者」には、アンケート実施後、症状が悪化し、300日以内で死亡する傾向が認められたのだ。

 一般に、心不全の重症度は血液検査マーカー「NT-proBNP」によって判断されるが、この数値だけでは、患者の状況を的確に捉えきれないことがわかった。うつ病発症が、患者本人の病気回復意欲を減退させ、自らの病気治療に対し、積極的に取り組めない状況に、追い込んでいる可能性があるからだ。治療が長期に及ぶ心臓疾患には、身体的症状の治療に加えて、メンタル治療が欠かせないと、この記事は報告する。

 心不全患者は、掛かり付けの医師あるいは看護士に、「メンタル面の症状」も遠慮なく相談することが重要であり、それが早期の病気回復につながると言える。

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