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これでエコ・カーが安くなる!:「バス・スポンジ」燃料電池完成 (BBC-Sci & Env, April 18, 2020)

hydrogen

 軍事技術開発が思わぬ新製品の登場につながることは、よくあることだ。

 USの Northwestern大学の Omar Farna教授らの研究チームは、国防省の依頼を受けて、化学兵器神経ガス」攻撃から身を守る「absorbent materials (吸収材)」の研究を続けていた。

 そして、開発したのが「metal-organic framework (金属有機構造体)」と呼ばれる「多孔性配位高分子素材」だった。それは、バスタブ掃除用の「bath sponge (バス・スポンジ)」によく似ている。

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 しかし、水素、メタンなどのガスを吸収、貯蔵する能力がすごい。わずか1gのスポンジ状物質の中は、微細な空隙で満ちていて、その全表面積はサッカー場の広さ (約7,140m2)に匹敵する。

 Farna教授らは、この新素材 NU-1501の開発 技術を燃料電池 (fuel cells)に応用し、水素で走る、まったく排ガスの心配のないエコ・カー「燃料電池車」を作ることに成功した。

Hydrogen fuel cell

 これまで、燃料電池車の弱点は、高圧 (約700bar)で充填する水素タンクだった。このタンクの設備費が、燃料電池車を高価なものにしていた。ところが、新素材 NU-1501は低圧で水素を充填できるため、燃料電池をコンパクトにできる。

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 はたして、この燃料電池車が世界中に普及して大気汚染が改善され、気候変動にストップを掛けられるのか。それもこれも、自動車メーカーの胸三寸次第のようだ。

                                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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