ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

風力発電の夜間蓄電プラント:独学の発明家が開発! (BBC-News, November 7, 2020)

Highview's energy storage facility

 画期的なアイデア、発明、新技術は、なにも大企業や大学の研究者が思いつき、開発に成功するとは限らない。小さな町工場(こうば)、趣味人の裏庭の作業小屋だって、専門家が驚くようなものをつくり出すことがある。

 

 UK東部のHertfordshire (ハートフォードシャー)に住む Mr Peter Dearmanも、そんな発明家の一人だ。Mr Dearmanは独学で「liquid air (液体酸素)」の製造技術を習得し、この度、UK政府に対し、商業規模のエネルギー貯蔵プラント建設を申請したところ、これが認められ、£10m (約14億円)の補助金がついた。

 

 そのエネルギー貯蔵技術は独創的だ。風力タービンは、昼も夜も回り続けているが、どうしても、夜間に「余剰電力(surplus electricity)」が発生してしまう。このムダな電力を使って空気を圧縮し、-196℃液体空気を製造するというもの。これを貯蔵タンクに保管し、消費電力が上昇する日中あるいは7, 8月にタービンの回転ブースターに利用するシステムだ。

Wind turbine

 このエネルギー貯蔵システムの効率は 60 -80%。バッテリー方式に比べて効率がやや劣るものの、貯蔵タンクの建設コストを抑えることができ、レアメタル (Li, Co, Niなど)も不要。長期的なエネルギー貯蔵に優位性があるという。

 

 計画では Manchesterの近くに、電力50MW (5万kW)を貯蔵できるプラントを建設する予定とか。

 なお、Mr Dearmanは、小型の液体水素タンクを搭載した電気自動車の開発にも成功している。その技術力は、「The Department for Business, Energy and Industrial Strategy (英国ビジネス、エネルギー、産業戦略省、BEIS)」の主席科学顧問 John Loughhead教授の折り紙付きだ。 

              (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com