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一日一食ダイエット:その効果とリスク・注意点 (BBC-Health, June 3, 2019)

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 多くの人はセレブにあこがれ、そのしぐさ、私生活に興味津々(しんしん)。
 あの「ツイッターCEO」のJack Dorsey (ジャック・ドーシィ)が食事をするのは「一日一食」。これがネット上で広がった。さらに、週に2日だけ低カロリーの食事をとるダイエット法や、週あるいは月に1回断食日を入れるダイエット法など、この10年余りで、「intermittent fasting (食事制限ダイエット)」がすっかりブームになった。

 食を一定期間だけ断つ、いわゆる「断食 (fasting)」は、古来よりイスラム教、ユダヤ教キリスト教をはじめ、多くの宗教各派で実施されている。宗教以外にも、身内で不幸が起こったときや、精神修行の一環として、断食に服す人もいる。

 しかし、「The British Dietician Association (英国栄養士協会)」のDr Linia Patelによると、人類の断食は、はるか大昔の「Hunting-and-gathering age (狩猟・採集時代)」に遡る。それは、人類の先祖にとって、好むと好まざるに拘わらず、遭遇する定めであった。狩りに出かけて獲物がとれたり、木の実が採取できれば食べ物にありつけるが、そうでなければ、なにも口にできない日が続く。そんな繰り返しが日常茶番時であったという。

 そして、時が流れた。先進国の大多数の人にとって、食べ物に事欠くことはなくなった。それでも、食事制限だ、断食だと大騒ぎになるのには訳(わけ)がある。現代人は余山を駆け巡ることも、いや歩くことさえ億劫(おっくう)になった。つまり、栄養過多の一方で、運動不足が極端に進んだのだ。これでは、「obesity (肥満)」が増えるのも無理がない。
 一大ブームになった「食事制限ダイエット」には、このような背景があり、それは、むりやり体重を減らすための、不自然な食事の摂り方とも言える。

 さらに、人々がこの断食が好むのは、「人間の性(さが)」が関与していると、Dr Patelは見る。
 肥満対策として、「健康的でバランスのとれた食生活」をと、専門家が勧めても、これに耳を貸す人は少ない。どうやら、人は「勧め」よりも「ルール」を好む傾向にあり、「食べ物の種類」を制限する代わりに、「食の時間(clock)」をルールとして制限する方が、カロリー摂取の調整は簡単で、楽になる。

 「The Annual Review of Nutrition 2017」に発表された「食事制限ダイエットに関する研究論文」では、臨床試験16件の内11件で、なんらかの減量効果があったと報告されている。

 ただし、どんなタイプの「intermittent fasting (食事制限ダイエット)」をとるにしても、食べる中身が大切。食物繊維、ビタミン・ミネラルが豊富な次の品目が欠かせない。

・oily fish:青魚 [essential fat(必須脂肪酸)]
・nuts & seeds:ナッツ類
・lean sources of protein:脂肪分の少ないタンパク質
・whole-grains:全粒穀物
・starchy carbohydrates:でんぷん質炭水化物
・plenty of fruit and vegetables:フルート・野菜はいっぱい食べる

 なお、以下の健康状態の人は、食事制限ダイエットをやってはいけない。

・advanced diabetes:進行した糖尿病
history of eating disorders:過去に摂食障害(拒食症、過食症)がある
・chronic diseases:慢性疾患
・pregnant or breastfeeding:妊娠中あるいは授乳中の女性
・stomach ulcers:胃潰瘍

               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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