違法ドラッグ「リリカ」のネット取引:北アイルランドで横行! (BBC-News, April 1, 2019)
火炎は一瞬にして、燃えるもの全てを灰にする。同じように一瞬にして、周りからの信用、社会的な地位・財産、健康、そして友人・家族の信頼をも失ってしまうもの。それは、違法トバク (illegal betting)と違法ドラッグ (illicit drugs)。そのどちらも、ほんの好奇心、あるいは遊び心に突き動かされて始めることが多いと聞く。
しかし、一度、「邪悪な興奮 (malevolent sensations)」が脳神経に記憶されると、これを消し去ることは、至難の業。とくに、暗闇に紛れて密かに忍び寄る違法ドラッグには、強い「依存性 (addictiveness)」が隠れている。「身の破滅」につながることに気づかず、悪魔によって誘われるがままに、ズルズルと「犯罪」を繰り返してしまうのだ。
この数年、北アイルランド中に異様な勢いで出回っている違法ドラッグがある。「プレガバリン(Pregabain)」、商品名「リリカ (Lyrica)」だ。この薬は「epilepsy (てんかん)」、「nerve pain (神経痛)」の「処方薬 (prescription drugs)」だった。それが、なぜか、EU離脱問題で揺れ動くUKのドサクサの中で、北アイルランドに「diazepam (ディアゼパム)」、「temazepam (テマゼパム)」などの処方薬の荷に忍ばせて、大量に運び込まれた。
そして、病院を通さず、「community pharmacies (地域の薬局)」から街中に直接流れ、規制逃れのウェブサイトあるいは路上で違法取引が横行するようになった。
「The Health and Social Care Board (英国保健・介護局)」のMr Joe Broganによると、
"Any medicine or any drug can be a poison."
[ どんな医薬品、どんな薬でも、(次の3点が守られない限り)、体に毒になることもある。]
・Where you get it from.:薬は病院で処方されたもの
・How much you take.:定められた服用量
・What you take it with.:定められて服用法 (他の薬やお酒との併用禁止)
なお、「プレガバリン (Pregabain)」は、UKで「Class C drug」に指定されている規制薬物。これを闇サイト等で不法に入手、譲渡、もしくは販売した者は、「1971年薬物乱用法」に基づいて処罰される。
この薬には、次のような副作用がある。
・Drowsiness:眠気
・Sedation:鎮静作用
・Breathing difficulties that can lead to death:呼吸困難 (死に至ることも)
・Cardiovascular problems:心血管障害
それに、わずかでも他の薬、アルコール類と一緒に服用するのは、極めて危険。
北アイルランドでは、前述の警告を無視して、命を落とした無法者が33名(2017年)だった。おそらく、これは、氷山の一角に過ぎないだろう。
(写真は添付のBBC Newsから引用)